【バンコク(タイ)7日=岡本学、西尾雅治、永井孝昌、益子浩一】ジーコジャパンが世界一番乗りでドイツ行きを決める−。日本代表は今日8日、W杯アジア最終予選第5戦の北朝鮮戦に臨む。決戦前日のこの日、バンコク市内のグラウンドで最終調整。引き分けでも3大会連続のW杯出場が決まる大一番へ出陣準備を整えた。出場停止のMF中田英ら主力5人を欠きながらも、ジーコ監督(52)は北朝鮮戦でのW杯切符獲得へ自信を見せた。
いよいよ、その瞬間がやってくる。日本中が待ちに待ったW杯出場決定の時。予選突破「世界最速」のおまけもついてくる。決戦前日練習の冒頭ミーティングは約2分半。選手、スタッフから「よし、行くぞ!」と威勢のいい声と手拍子が上がり、ムードは最高潮に達した。この日はコメントを残さなかったジーコ監督だが、試合前々日6日に行われた公式会見では確信に満ちた表情で言った。
「本当に大切な試合。どんな戦いになっても、W杯へ行くんだという強い気持ちを出せば道は開ける。きつい時期ではあるが精神力を前面に出して、確実にドイツ行きの切符を手にしてくれると思う」。
日本協会と契約を結んだ02年7月22日から今日8日で1052日がたつ。W杯での上位進出という大目標に向け、クリアしなければならない第1関門。「今年の最大目標」と位置付けた「いばらの道(W杯予選)」とは北朝鮮戦を最後にオサラバする。
集大成の大一番には中田英、中村、三都主が出場停止。小野、高原も故障でいない。主力選手5人の欠場に加え守備の要・中沢の出場も微妙という非常事態。だが、ジーコ監督に不安はない。3日バーレーン戦終了直後に「確かに彼らはすごい選手ではあるが、出られない時に埋める選手が全力で戦ってくれたら、絶対に勝てる」と追加招集せずに現有戦力を信頼。左ウイングバックに中田浩、ボランチに稲本を入れ、バーレーン戦の1トップから鈴木を戻して従来の3−5−2で試合に臨む。
控え組に対しジーコ監督は常々、言ってきた。「いつチャンスが来るか分からない。その時に備えて常に準備しておいてほしい」。その言葉を信じて選手は腐らず、練習を重ねてきた。一方、スタンド観戦となる中田英はタイ入りしてから率先してボール運び、紅白戦では控え組として本気モードで練習台になった。見守った日本協会川淵キャプテンも「ヒデも、何とか選手を勇気づけたいと思っている。以前は煙たがられていた部分もあったし、3月に復帰した時には遠慮もあった。そこから脱皮したね」。1年半前は中田英を中心とした欧州組の個々の力に頼っていたジーコジャパン。それが今は「勝利」「W杯出場」という方向へチームの歯車がガッチリかみ合っている。
試合は無観客で行われる。グラウンド状態も決して良くない。さらに雨が降ればボールがどう転がるか分からない。ジーコ監督はそのいずれにも「集中力を切らさないこと」と言った。進化したジーコジャパンが北朝鮮を下して、歓喜の瞬間を迎える。
[2005/6/8/09:27 紙面から]
写真=横断幕を広げた大勢の日本サポーターの前を通り、練習グラウンドへ向かうジーコ監督(撮影・鹿野芳博)
|