<コンフェデレーションズ杯:日本1−0ギリシャ>◇1次リーグB組◇5日目◇19日◇フランクフルト
FW大黒将志(25=G大阪)が、また日本の救世主になった。欧州王者ギリシャとの初対戦は終盤まで0−0。だが、途中投入されたFW大黒が、後半31分に値千金の決勝弾を決めた。守備陣もギリシャお家芸のセットプレーを最後までしのぎ切って1−0と完封勝ち。1勝1敗の五分に戻し、決勝トーナメント進出をかけた22日(日本時間23日3時45分)のブラジル戦に挑む。
日本にとって越えなければいけない壁だった。180センチ以上の高さを生かしながらセットプレーでゴール前に押し込んでくるギリシャに対し、一瞬のスキを狙った。前半19分。ゴール前のクロスをはね返し、一転してカウンター攻撃に出る。MF中村からのパスを受けたDF加地が右足シュート。同21分にもMF中田英から左外側に開いたFW玉田へラストパスが通り、左足でシュートを打った。決まらなかったが、高い壁をかいくぐりながらゴールに迫った。
ジーコ監督があえて動いて臨んだ一戦。「当分はシステムは変えるつもりはない」と16日メキシコ戦後に断言していたが、3月25日のW杯予選イラン戦以来の4−4−2に移行。連係に自信のある相性のいい3バックから、勝つために大胆に手を変えた。「1人1人高い集中力と精度を持つチームでなければ、システムは変えられない」。初戦メキシコ戦で敗れても、ジーコ監督の選手に対する信頼は揺らぐことはなかった。
ギリシャとは初対戦だった。過去欧州王者には00年王者のフランスに3戦全敗と、力の差をまざまざと見せつけられた。昨年の欧州選手権優勝後に親善試合の打診を受けたが、開催は見送られた。そして、06年ドイツW杯まであと1年を切り、対戦が実現。自信をつける格好の機会だった。
何度も決定機が訪れた。GK川口の好セーブでゴール前の攻防を防ぎながら、チャンスを待った。同38分には玉田がカウンターから抜け出し、GKと1対1という絶好の状況。だが左足シュートはゴール右上に大きく浮かび上がった。同42分にはFW柳沢がループシュート。それもDFにクリアされる。前半は優位に試合を進めながら0−0。ジーコ監督は何度も頭を抱えた。
焦りが募る展開に終止符を打ったのは大黒だった。後半21分に玉田に代わってピッチに登場。そして、10分後にヒーローになった。MF福西が前線へくさびに当て、中村が左足でスルーパス。意思を感じ取った大黒がスペースに飛び出し、ゴール左へ落ち着いて決めた。2月9日W杯予選北朝鮮戦に続く決勝弾。引き分け以下なら決勝トーナメント進出が大きく遠のいた一戦で、再び大黒が驚異的な勝負運を発揮。初めて欧州王者を破った勢いに乗り、強豪ブラジルと決勝トーナメント進出をかけて戦う。【永井孝昌、益子浩一、広重竜太郎】
[2005/6/20/09:40 紙面から]
写真=後半31分、カラグニスのマークをかわして先制ゴールを決めるFW大黒(撮影・栗山尚久)
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