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舞台は整った。1次リーグ第2戦で欧州王者ギリシャに挑んだ日本は、後半31分、途中出場のFW大黒将志(25=G大阪)のゴールで1−0で勝った。同組のブラジルがメキシコに0−1で敗れたため、明日22日のブラジル戦は日本を率いるジーコ監督(52)が母国と互いの決勝トーナメント進出をかけた真剣勝負となる。またブラジル戦には、公式戦での「全大陸王者撃破」の偉業もかかる。
念願の対戦が、最高の舞台でやってくる。ブラジル人としての誇りを胸に、だが日本代表監督としての使命のもとに、ギリシャ戦を終えて会見の席に着いたジーコ監督は言った。「今までは選手や総監督として黄色いユニホームの側に立って戦ってきた。だが今は、日本の代表監督であるという気持ちがとても強い」。昨年11月の対戦決定から「特別」と言い続けてきたブラジル戦。その決戦には、互いの4強進出がかかる真剣勝負、という絶好のシチュエーションが整った。
チャンスを自力でたぐり寄せた。ギリシャ戦で突然敷いた4バックは、前日のビデオミーティングでの入念な指示が奏功して相手の攻撃を完封。課題だったギリシャの高さ対策には「気持ちの問題」と体ごとぶつかる激しいマークを徹底した。キープ率は52%、シュート本数はギリシャの倍以上の15本とデータ上でも欧州王者を圧倒した。
現役欧州王者からの価値ある初勝利に「システムで勝ったのではなく選手の質で勝った。相手のよさを消した典型だ」と言い切れば、ギリシャのレーハーゲル監督も「日本は速くて、体力的にも強かった」と完敗を認めた。
迎えるブラジル戦。毎年、世界の代表監督と主将の投票で決定するFIFA年間最優秀選手賞には、常にブラジル人選手の名前を推してきた。「私が世界最強だと感じているのがブラジルとアルゼンチン。(日本との)違いは、基本的な人間のベース」と話したこともあるほど王国に誇りを持っている。一方で、母国では輝かしい経歴で尊敬を集めながらもW杯では1度も優勝できなかった“負い目”もある。だからこそ、勝った方が4強進出、という状況での対戦に「次のステージにいけるかどうかの大事な戦い。勝ち点3を狙っていきたい」と力を込めた。
アトランタ五輪でブラジルを破りマイアミの奇跡を実現したGK川口は「あの試合がボクの原点。ブラジルは全部が怖い。すべてがうまい」と言った。MF三都主は「だからこそ楽しみだが、世界一のブラジルに勝つことは難しい」と言った。だがそのチームを率いるジーコ監督は、断言する。「不必要に恐れず、自分たちの力を出す勇気を出せば結果は求められる」。過去6度の対戦とはまったく異質のブラジル戦。欧州王者と世界王者を連破し、公式戦全大陸王者撃破という偉業を達成すれば、1年後の「世界を驚かせるための戦い」へ向けこれ以上のプロローグはない。【永井孝昌、益子浩一、広重竜太郎】
[2005/6/21/08:02 紙面から]
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