日本代表MF中村俊輔(27=セルティック)が、06年ドイツW杯へ向けて欧州型の戦術を習得し、チームを変幻自在の試合巧者へ導く。親善試合ホンジュラス戦(宮城ス)から一夜明けた8日、所属クラブへ戻るためスコットランドへ出発した。10月の東欧遠征では攻守のバランスを重視した戦い方をあえて崩し、中盤以降に人数を割いてロングボールを多用する守備的な戦いを試すプランを明かした。強豪ひしめくW杯本番を想定し、日本の司令塔が新たな挑戦を始める。
ホンジュラスと演じた乱戦が、日本代表向上へのヒントを中村に与えた。前半だけでジーコジャパン過去最多の3失点。10月の東欧遠征では8日ラトビア戦に続き、12日には欧州一番乗りでW杯初出場を決めたウクライナとの対戦を控える。「相手は強く、勢いもある。アウエーだし、手堅いサッカーになると思う」と言った。
強豪国との対戦で序盤をどう戦うか。代表戦を終えて渡航する際も、さまざまな考えが頭をよぎる中、思いついたのは欧州スタイルの戦い方だった。「自陣で相手にやらせないこと。立ち上がりで入り込ませないために、ロングボールを使うやり方もある。守備の時間が長くなると思う」。欧州リーグを経験する中村なりの打開策だった。
今季加入したスコットランドリーグをはじめ、堅守のイタリアやギリシャなど欧州の多くの国で主流となっている「中盤省略型」サッカー。3ボランチで中盤を厚く守り、ボールを奪ってからロングボールで一気に相手陣地深くへ攻め込む戦術は、攻守のバランスを考え、細かくパスをつなぐ日本のスタイルとは異なる。だが、中村は「これから先の約1年で、何が起こるか分からない。どういう状況でも勝利のために効果的に動けるようにしたい」と言い切った。
これまで築き上げてきた戦い方を尊重しつつ、固執はしない。激戦が予想されるW杯へ向けて司令塔が戦いの選択肢を増やし、ジーコジャパンのレベルアップを促す。【山下健二郎】
[2005/9/9/09:10 紙面から]
写真=仙台空港でサインを求められる中村
|