<国際親善試合:日本2−2ラトビア>◇8日◇リガ
日本代表FW高原直泰(26)が、距離35メートルのナックル弾を決めた。前半5分、GKを確認して放った狙い通りの無回転シュートでラトビアのゴールネットを揺らした。ホンジュラス戦に続く2試合連続ゴールで、ジーコ監督からの信頼を確たるものにした。年内に結婚することも明らかにし、公私ともにドイツへの足場を固めた。試合は2点のリードを追いつかれて2−2で引き分けたが、高原はMVPに選ばれた。
懸命に伸ばされたGKの手をかすめるようにして、ボールは揺れながら落ちた。開始からわずか4分20秒、高原が中盤から放ったシュートは無回転のまま35メートルを飛び、ゴールネットを揺らした。ガッツポーズやパフォーマンスとしてではなく、高原は「してやったり」の表情で小さく喜びを表現した。そのシュートは、完全に狙ったものだった。
高原「トラップしてGKを見たら、狙えそうだった。コースは考えないで、無回転のまま飛べば、勝手にボールが揺れてくれる。ドライブ回転だとGKも捕りやすいから。でも、あそこまでうまくいくとは。アツさん(神戸DF三浦)とかがFKでやっているのを、流れの中でやった感じです」。
明確な意図を持った自らのシュートを解説する口も滑らかだった。公式戦でもなければ、試合を決めるゴールになったわけでもない。引き分け試合の先制点。だが、一生に1度かもしれないゴールに、試合後も笑顔が絶えなかった。「シュートを打たないと点にならない。GKが準備する前に打ったもので、彼の積極的な部分が生きた」。ジーコ監督も褒めた。ミドルやロングレンジからの積極的なシュートが少ないのは、常に日本の課題とされてきた。それを忘れさせるかのような一発だった。
欧州アウエー戦でのゴールは02年3月ポーランド戦以来。だが、そのときに発症した肺血栓(エコノミー症候群)が原因で、02年W杯を棒に振っている。04年の英国遠征でも肺血栓に襲われた。現在はドイツでプレーする欧州の住人だが、過去2回の欧州遠征では苦い思い出を味わっている。それを断ち切るためにもウクライナ戦(12日)を含めた今回の東欧遠征を、試合結果とコンディショニングの両方から重視している。
12月22日に日本で挙式することも決まった。高原は試合後「プライベートなことはあまり話したくないんですが、相手は普通の人なので騒がないでほしい。名前も写真も(公表するのは)控えたい」と話した。結婚により、私生活、特に食生活は充実するはず。W杯ドイツ大会に向け、コンディションをよりいい状態に整えることができるのだ。
柳沢とともに、現時点ではレギュラー2トップの座にいる。だが、オールスター出場のため遠征不参加の大黒や玉田もいる。大久保らが成長し、久保らが復活すれば、どうなるか分からないことは分かっている。「自分の力を出していくことだけです」。高原はゴールを積み重ね、初のW杯代表を目指す。【永井孝昌、小西弘樹、益子浩一】
[2005/10/9/09:55 紙面から]
写真=前半5分、先制のゴールを決めたFW高原はガッツポーズ。左はMF中田英(撮影・宇治久裕)
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