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鹿島が雪辱!磐田を下す

 <チャンピオンシップ:第2戦>◇98年◇11月28日◇カシマ
鹿島アントラーズ 2−0
0−1
ジュビロ磐田

鹿島が磐田を破り2年ぶりに王座を奪回した。第2戦、
ビスマルクのFK(フリーキック)を秋田豊が頭でたたきこみ2−1で連勝した

中山決勝弾!敵地でV決めた

 鹿島が勝った。2年ぶり2度目の年間王座に輝いた。前半39分、DF秋田豊(28)のヘディングシュートで先制し、同41分にはMFビスマル ク(29)がFKを直接たたき込み、2−1で逃げ切った。昨年敗れた磐田に、延長Vゴールで勝った第1戦に続く連勝で雪辱。横浜Fの事実上 の消滅、読売新聞社の川崎からの撤退などで揺れたJリーグで、ひたむきさと真の実力で日本一をつかんだ。2試合を通じて活躍した秋田 がMVPに選ばれた。

 選手たちの笑顔に涙が重なった。鹿島が勝ち取った2年ぶりの王座。試合終了と同時にイレブンは抱き合った。FW長谷川は、子供のように 跳びはねた。ビスマルクはピッチにひざまずき、祈りをささげた。過去2度挑んではね返されたチャンピオンシップを、連勝で制した。

 前半39分だった。右サイドからのビスマルクのFKを、秋田が頭で合わせて均衡を破った。41分には右太もも裏の肉離れを押して強行出 場のビスマルクが、23メートルのFKを直接ゴールにたたき込んだ。後半30分にそのビスマルクが退場。その9分後に1点差に詰め寄られて も、守りの鹿島は崩れなかった。ビスマルクは、声を上げて泣いていた。川崎時代に1993年(平成5年)、94年と2年続けて年間王者を経 験した。その男が言った。「数多くのタイトルを取ってきたが、今回が一番苦しかったし、うれしかった。僕は鹿島が好き。鹿島で勝てたことが 最高なんだ」。

 第2ステージ中、横浜Mが横浜Fを吸収合併することが明らかになった。読売新聞社は川崎から撤退した。平塚も親会社フジタからの支援 が見込めず、リストラを断行する。発足6年目で、Jリーグは揺れに揺れた。秋田は「横浜F関係者のためにも、いい試合をして勝つことが大 前提でした」と打ち明けた。 J1参入戦では、残留をかけた5チームが必死に戦っていた。鹿島の選手たちもテレビで観戦した。チャンピオ ンシップで、ぶざまな試合はできなかった。相手はライバル磐田。ひたむきになって、自分たちの戦いで今後のJリーグを支えたかった。そん な思いがこの日のピッチには充満していた。

 2年前まで平塚に在籍したDF名良橋は言った。「今後はうちと磐田、清水、浦和が引っ張らなきゃゃいけない。一人ひとりがレベルアップし なきゃファンも喜ばない」。試合後、第2ステージと同じようにサポーターとのビールかけに参加し、はしゃぎ回った。DF相馬も、来年に向けて 「いい風を持っていければいいね」。選手の満足そうな表情に、王者の風格と自覚が漂っていた。【久野朗】

(写真=鹿島が磐田を破り2年ぶりに王座を奪回した。第2戦、 ビスマルクのFK(フリーキック)を秋田豊が頭でたたきこみ2−1で連勝した)



 <チャンピオンシップ:第1戦>◇98年11月21日◇国立
鹿島アントラーズ 0−1
1−0
延長
0−0
1−0
ジュビロ磐田

中山、史上初のCS2得点!

 鹿島がサントリーチャンピオンシップ第1戦で磐田を破り、2年ぶりのJリーグ年間王者に王手をかけた。1−1で迎えた延長後半5分、 ゴール前の混戦からDF室井市衛(24)が、右足で逆転Vゴールをたたき込んだ。前半6分、ペナルティーエリア内でハンドを犯して先制点 となるPKを許した男が、汚名返上の一撃でチームに勝利をもたらした。第2戦(カシマ)は28日に行われる。

 借りを返したかった。室井は、その一心だった。延長後半5分の右CKからの攻撃。ジョルジーニョのシュートはこぼれ球となり、目の前に 転がってきた。「GKの動きがスローにみえた」。右足で押し込んで逆転Vゴール。昨年9月27日の横浜M戦以来、約14カ月ぶりの得点は、 2年ぶりの年間王者へ大きく近づく値千金の一撃となった。

 自身初めてのチャンピオンシップ。試合開始後の動きは硬かった。前半6分、磐田の左サイドからのクロスに、ペナルティーエリア内で右手 でハンドを犯した。先制点を許すPKを与えた。「絶対に取り返したかった。Vゴールの前、自分のところにボールが来るような気がした」と振り 返った。優勝をかけた7日の川崎戦の後半終盤にも、ゴール前での勝ち越しシュートのチャンスで空振りした。責任感でいっぱいだった。

 9月に右肺に穴があく自然気胸を患った。一時は今季絶望とまでされたが、予想以上に早く回復し約1カ月で完治した。10月21日の浦和 戦で、DF奥野が右腸骨を骨折して戦線離脱。その穴を室井が埋めた。第2ステージ終盤の堅守を支え、今度は土壇場で大仕事をやって のけた。

 1点ビハインドの後半27分には、長谷川が同点ゴールを決めて息を吹き返した。「辛抱することが大事。流れは変わったでしょ」と長谷川。 エース柳沢や主力選手が無得点でも、今季控えに甘んじた選手がカバーした。主将の本田は「こういう勝ち方は大きい」と胸を張った。

 鹿島はチャンピオンシップ5試合目で初勝利。過去4回のチャンピオンシップで、先勝したチームはすべて優勝しているが、選手たちは データは気に留めていない。長谷川は「目の前の試合に集中するだけ」。室井も「よりタイトなサッカーをしたい」と言った。底力を発揮しての 逆転勝利で、鹿島が大きな自信と弾みをつけた。【久野朗】

日刊スポーツ紙面で振り返るチャンピオンシップ




  • 1993年 ヴェルディ川崎−鹿島アントラーズ
  • 1994年 ヴェルディ川崎−サンフレッチェ広島
  • 1995年 横浜マリノス−ヴェルディ川崎
  • 1996年 鹿島アントラーズ(1シーズン制のため開催なし)
  • 1997年 ジュビロ磐田−鹿島アントラーズ
  • 1998年 鹿島アントラーズ−ジュビロ磐田
  • 1999年 ジュビロ磐田−清水エスパルス
  • 2000年 鹿島アントラーズ−横浜F・マリノス
  • 2001年 鹿島アントラーズ−ジュビロ磐田
  • 2002年 ジュビロ磐田が第1、第2ステージ完全制覇のため開催なし
  • 2003年 横浜F・マリノスが第1、第2ステージ完全制覇のため開催なし

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