磐田、史上初のPK戦を制す!
| <チャンピオンシップ:第2戦>◇99年◇12月11日◇日本平 |
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| ジュビロ磐田 |
1−1 0−0 延長 0−1 PK 4−2 |
清水エスパルス |
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史上初のPK戦、磐田が静岡ダービーを制す!
磐田が2年ぶり2回目のJ1年間王者の座に就いた。清水とのチャンピオンシップ第2戦に延長Vゴール負け(1−2)し、勝ち点2で並んで迎えた
史上初のPK戦を4−2で制した。土壇場で勝負強い伝統を一番大事な場面で発揮した。MVPには、第1戦での2ゴールなど、この勝負師軍団
をプレーでも精神面でも引っ張ったFW中山雅史(32)が選ばれた。
5人目の中山に出番はなかった。年間王者をかけたPK戦。サントス、ファビーニョが外した清水に対し、磐田イレブンは当たり前のように4人
全員が決めた。わずか十数分前にはVゴール負けを喫していた。清水アレックスの退場で、数的有利になりながら試合には勝てなかった。ショッ
クは倍加していてもおかしくなかった。しかし、イレブンはそれを完全にぬぐい去っていた。
「PK戦は5人目でバリバリ決めるつもりでいました」。中山は試合後、笑顔で話した。極度の緊張感の中、VゴールとなるPKを決め、試合後も
顔が引きつっていた第1戦とはまるで表情が違っていた。「ゴン・スマイル」がよみがえっていた。
リーグ戦年間17勝、勝率5割8分6厘。いずれも歴代の年間王者の中で最低の数字だった。対する清水は22勝、7割5分9厘。過去5回の
チャンピオンシップ中、第2ステージ優勝チームが4回優勝。いずれも磐田の圧倒的な不利を示すデータが並んでいた。それでも勝ってしまう
ところが、磐田らしいところだった。
磐田が、タイトルをかけた優勝決定戦にコマを進めるのは、これが6回目だった。そのうちの5回に勝ってきた。中東での2回のアウエーにも耐
え、タイトルを持ち帰った。ここぞという場面で力を発揮することが、磐田であり中山だった。
昨年のチャンピオンシップで、磐田はその「ただ1度の敗戦」を喫した。13連勝で臨んできた鹿島の勢いの前に、いいところなく連敗した。
中山個人にとっても、悔しさが残る戦いだった。MVPを獲得した鹿島DF秋田に封じられ、チャンピオンシップでの連続試合得点を「3」で止
められた。気持ちの面でも秋田に圧倒された。相手は違っても、チャンピオンシップでの雪辱こそが、勝負師中山が最も欲していたものだっ
た。
「勝負強さ? 何度も修羅場をくぐってきたからでしょ」。中山はこともなげに言った。ゴール数の激減、3回の手術。苦しんで苦しんでたどりつい
た頂点にも満足はしない。「まだ天皇杯も、来年もあるよ」。最後は、先にある「勝負」を楽しみにするように言った。【鈴木豊】
(写真=磐田が清水との静岡ダービーに勝ち、2度目の王座に就いた。試合は接戦、チャンピオンシップ史上初のPK戦に突入した。
PK戦では2人が外した清水に対し、磐田は4人連続で成功。土壇場での強さで一枚上手だった。中山雅史(中央)は2度目のMVPを受賞した)
| <チャンピオンシップ:第1戦>◇99年◇12月4日◇磐田 |
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| ジュビロ磐田 |
1−1 0−0 延長 1−0 |
清水エスパルス |
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中山2発!磐田が清水にVゴール勝ち!
磐田がFW中山雅史(32)の2ゴールで、清水に2−1でVゴール勝ちした。中山は今年、3度手術を受けるなどケガに悩まされ続けたが、
大一番で力を発揮した。チャンピオンシップでは、これで5戦6発。エースの復活と同様、第2ステージ12位と低迷したチームも息を吹き返し、
史上初のダービーチャンピオンシップに先勝した。11日に行われる第2戦(日本平)で引き分け以上の内容なら、磐田の2年ぶり2回目の優
勝が決まる。
笑顔なきVゴールだった。延長前半8分、中山のPKは、相手GK真田が懸命に伸ばした右手に当たり、そのままゴールへと吸い込まれた。
ガッツポーズでサポーターのいるスタンド目がけて走ったエースに、藤田が、服部が駆け寄る。チームメートと抱き合ってもなお、ひきつった
中山の表情が、激しいプレッシャーを物語っていた。「チームメートが信じてくれたから、何とか決められた」。試合終了後、ようやくホッとした
表情を見せた。
苦しいシーズンだった。今年だけで3度の手術を受けた。年間36ゴール、4試合連続ハットトリック、フランスW杯で日本人初得点…。昨年
の活躍は記録ずくめだったが、今季の得点はわずか6にとどまった。天国から地獄へと突き落とされた。それでも地道な努力は忘れなかった。
南米選手権で右目付近を骨折し10日間入院したときも「足の筋肉を落としたくないから」と、階段の上り下りを繰り返した。復活のときを待っ
ていた。
この日のスタンドには市原FW武田の姿があった。横浜DF井原は横浜市内で東京との移籍交渉の席についていた。同期生が次々と戦力外
通告を受けた。日本代表のエースでもある中山でさえ、安閑とはしていられない。高年俸のベテランは、リストラの危機と常に背中合わせ。シー
ズンで結果を出せなかった以上、チャンピオンシップで存在感を示すことが必要だった。
そんな思いで中山は試合に臨んだ。開始直後から前線でボールを追った。先制ゴールも、右サイドからの安藤のクロスに「亀のようにクビを
出して」(中山)必死にねじ込んだものだった。磐田の荒田社長は「Jリーグが発足したとき、(磐田の前身で初年度から参入できなかった)ヤマ
ハから清水に移籍した選手もいたけど、中山は残ってくれた」と振り返る。まだやれることを見せてくれた大黒柱に、思いが重なった。
大舞台での強さをあらためて証明する2ゴールで宿敵清水を下し、2年ぶりの日本一へ王手をかけた。過去5回のチャンピオンシップでは、
すべて先勝した方が優勝というデータもある。それでも「まだまだ。延長で勝っただけですよ」と中山に油断はない。復活を果たした昨年の
MVP男が、最終決戦でもう1度、大輪の花を咲かせる。
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日刊スポーツ紙面で振り返るチャンピオンシップ
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