横浜4得点で圧勝、岡監督は5人目の初陣連勝
王者をなぎ倒した。03年J1開幕戦となった21日の磐田戦(静岡)で、岡田武史監督(46)率いる横浜が4−2で敵地での圧勝で、白星スタートを飾った。前半2点を先制も、一度は同点となった。だが後半に奥、マルキーニョスの連続得点。横浜としては00年11月8日神戸戦以来の大量4得点で昨季J完全制覇の磐田を突き放した。FW久保ら新戦力も大暴れ。岡田マリノスが一気に「Jの主役」に躍り出そうな気配だ。
思わずガッツポーズが飛び出した。ジャージー姿の岡田監督がベンチを飛び出し、声を張り上げる。後半24分。右サイドからMF佐藤由が得意ではないはずの左足で懸命のクロス。FWマルキーニョスが反応し、磐田を突き放す4点目のゴールを奪った。これでもか、これでもかと攻め続けた横浜。開幕白星を決定づけた瞬間だった。
予測を超えた変ぼうだ。昨季第2ステージ15試合で得点も失点「16」。「上品なサッカーを何とか変えられないか」とサポーターから質問されたこともあった。岡田監督も「あなたの言う通り」と認めたほど。洗練された構成力に依存せず、勝利に突っ走るチームを目標にした。これで就任以来、12試合で7勝5分けと負けがない。
広島から久保、東京から佐藤由、東京Vからマルキーニョスら攻撃陣を獲得した。同時に意識改革にも手を加えた。「(1)サッカーを楽しみながらも(2)自分で何とかしようと考え(3)集中してプレーの質を高め(4)アグレッシブな気持ちでグラウンドに入れ」。
就任から2カ月。この磐田戦は岡田イズムの浸透ぶりを見極める大事な一戦だった。前半7分にMF遠藤が先制。同9分には佐藤由。同点に追いつかれたがハーフタイムで「ここからがスタート。集中して戦ってこい」と指示。MF奥が3点目を奪っても「4点目を取りに行ったのは岡田イズムだ」とDF中沢が口にした。
「もちろんチームづくりに正解はない。相手もこっちも生き物だから」。日本代表、札幌と指揮を執った経験を生かしチーム改革を推し進めた。「監督? 責任もあるけど、やりがいもあるね。昨年(評論家時代)は、家で子供にフニャフニャしてると言われてたからね」。選手の闘争心を引き出し、戦う集団に仕立てつつある。【田 誠】
妻にささげるゴール
どうしても決めたかった。妻にささげるゴールを決めた瞬間、横浜佐藤由紀彦(26)は左手薬指のリングに何度も口づけした。ラウルばりのポーズが飛び出したのは前半9分、2点目のゴール直後だった。
15日のナビスコ杯東京戦で移籍初ゴールは奪っていた。だが、この日の磐田戦は大事なリーグ開幕戦。スタンドには実沙子夫人を呼んでいた。「嫁さんには苦労をかけたから」。右サイドのスペシャリストも昨年は東京でベンチ要員。腰痛にも悩まされ、わずか13試合の出場で、1度もゴールネットを揺らすことはなかった。新天地で見せる快足は磐田DF陣を苦しめ、そして佐藤由自身、4年連続の開幕戦勝利となった。
その佐藤由に絶妙のパスを出したのが久保だった。ドリブルで持ち込みシュート態勢に入った時、視界にマルキーニョスと佐藤由が目に入った。「ゴール前に2人が見えたので、自分が打つよりパスを出した方が確実だと思った」。この試合でシュート本数0。だがチームは4得点。久保がDF陣を引き寄せてつくったスペースが大量得点を生んだ。マルキーニョスは4点すべての起点となし、1得点。新戦力3人で2得点2アシストと白星スタートの原動力となった。
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