横浜FW久保、デビュー8年目リーグ戦初ハットトリック
横浜の日本代表FW久保竜彦(26)が、デビュー8年目でリーグ戦初のハットトリックを決めた。アウエーの鹿島戦。1点ビハインドの後半1分に個人技で同点。21分には得意のヘッドでネットを揺らし、3分後には左足で狙い澄ましたようにゴール左に流し込んだ。3−1の逆転で鹿島を首位から引きずり下ろした横浜は得失点差で4位に後退したが、この日トップに立った市原との勝ち点差は2。混戦の中、再びV戦線に浮上した。
赤く染まった敵地が「久保スタジアム」に変わっていく。同点、決勝、そしてダメ押し弾。鹿島の守備陣を破壊し、戦意まで奪い取るハットトリック。わずか23分間。「ドラゴン」の異名通り、昇り竜のような連続得点だった。
0−1で終えたハーフタイム。岡田監督が選手に「行けるぞ」と飛ばしたゲキが、久保のハートも鼓舞した。「前半はDF陣が1点に抑えてくれてた。自分は受け身というか、緩んでた感じがしてた」。その気持ちを高い技術につなげてゴールを重ねていった。
同点弾…「(パスを出すドゥトラと)目が合っていたしDFが後ろ向きだったんで」。ゴール前で高い跳躍から胸でトラップして足もとに落とし、反転しながら右隅にたたき込んだ。
決勝弾…「アキさん(遠藤)が良いカットでボールを出してくれたので(ヘッドで)当てるだけだった」。遠藤のクロスに高い打点で頭で決めた。
ダメ押し弾…「GKが前に来てたんでコースを狙いました」。奥のパスをオフサイドラインぎりぎりでもらい、左足で流し込んだ。
淡々と振り返ったが、じくじたる思いもあった。4月12日の東京V戦で初得点後は、右足甲打撲、左ヒザ痛の影響で不発だった。「ボールを集めてもらっても自分がミスしていた」。充満したマグマをここ一番で一気に噴出したのだ。競技場はこいのぼりも泳ぐこどもの日。娘の写真を運転席に張り付ける子煩悩には、手土産がわりの活躍になった。
攻撃サッカーへの切り札として獲得したエースFWがついに片りんを見せた。そして「何とか磐田、鹿島に割って入れるようなチームに育てたい」と岡田監督が掲げてきた両チーム撃破も実現した。2強時代に突入した96年以降、敵地で破ったのは初の快挙。岡田マリノスが、再び首位戦線へ浮上してきた。【田 誠】
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