横浜迫った3差、首位磐田逃がさない
<横浜2−1磐田>◇5月15日◇静岡
岡田マリノスが、逆転優勝を視界にとらえた。アウエーでの首位磐田との直接対決。1−1で迎えた後半19分、右CKを日本五輪代表DF那須大亮(22)が頭で押し込み、2−1で競り勝った。開幕当初は14位にまで順位を落とした横浜だが、残り5試合で磐田に勝ち点3差の2位に浮上した。昨季第2ステージ(S)最終節で逆転優勝を決めた奇跡が、再び現実味を帯びてきた。
ピッチ中央で抱き合って喜ぶ選手たちの姿を、岡田監督はベンチから遠目に見守った。負ければ逆転優勝への望みを絶たれる直接対決。勝利の瞬間をまぶたに焼き付けると、目頭にこみ上げるものがあったのか、顔を紅潮させて足早にロッカールームへ引き揚げた。
前半14分にMF奥の直接FKで先制したが、2分後に失点。一進一退の攻防で生まれたDF那須の決勝ゴールは、前日14日の練習で半ば突貫工事で試したセットプレーからだった。「選手には勝負に対する執念がある。お互いを信じる団結力もある。信じていた」と声を震わせた。
国内戦に加えA3杯、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)を同時に戦う過密日程で、今季はすでに公式戦20試合以上を消化した。チーム戦術を煮詰められず、J連覇とアジア制覇の2大目標にも黄色信号がともった。決戦前日には「そろそろ出家しようかと思う」と冗談交じりに苦しい胸の内をのぞかせた指揮官。責任を痛感する一方で、世の中に不変なものはないという意味の「諸行無常(しょぎょうむじょう)」という仏教用語を例えに「昨季のうちもそうだったが、相手の強さも不変のものではないはず」と自らを鼓舞して磐田に乗り込んだ。
試合前のミーティングでは「今日は策を弄(ろう)しない。マリノスのサッカーで正面からぶつかろう」と伝えた。重圧でプレーの質が落ち、キャプテンマークを外していたMF奥を6試合ぶりに主将で先発復帰させた。右ひざ痛のFW久保は今後の連戦を考慮してギリギリまで途中起用を我慢。選手の闘志と信頼を第一に指揮した結果が、逆転Vへの挑戦権獲得だった。
横浜は試合後、千葉県成田市へ移動。今日16日にはACLのペルシクケディリ戦へ向けてインドネシアに飛び立つ。「リスクを考えれば(ACLを)捨てた方がいいかもしれないが、私の勘では取りに行くべき」。わずかな可能性が奇跡を呼ぶ。昨シーズンの再現へ、岡田マリノスが戦い続ける。【山下健二郎】
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◆今季序盤の横浜 2月にA3杯とACLが開幕。DF柳が左ひざじん帯損傷で長期離脱、FW久保や安、DF中沢らが各代表に招集されるなど主力がそろった練習をこなせなかった。さらに、戦術面でも昨季からのステップアップを目指して得意のサイド攻撃を封印。中盤の連係から新たな攻撃オプションを増やそうと試みたが、Jリーグは開幕浦和戦でドロー、続く市原戦で3失点の大敗を喫して一時14位に低迷した。
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◆横浜の逆転優勝 昨季第2ステージは最終節まで4チームが優勝争いを演じる大混戦。3位の横浜は最終戦で首位磐田と対戦。退場者を1人出して10人での戦いを強いられたが、後半ロスタイム、終了3分前にFW久保の勝ち越しゴールで2−1で逆転勝ちした。さらに2位鹿島が浦和と引き分けたため、横浜が大逆転優勝。第1S優勝と合わせてJリーグ史上2チーム目の完全制覇を果たした。
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[2004年5月16日付紙面から]
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