横浜逆転、V戦線残った
<横浜2−1名古屋>◇5月23日◇横浜国
試合後、横浜のロッカールームに拍手が響き渡った。負ければ優勝戦線から脱落する大事な一戦。連戦で満身創痍(そうい)となりながら勝利をもぎとった。自然とわき上がった、自分たち自身の健闘をたたえ合う拍手だった。両足計4カ所の筋肉を痛めながらプレーした主将の奥は「次につながる。チーム全体の力が上がった」と胸を張った。
ハーフタイムの時点で選手たちは首位磐田と新潟が接戦を演じていることを知っていた。後半37分、全員の闘志がゴールに向いた。DF那須からのロングパスをFW久保が胸トラップしてMF奥へ渡すと、左サイドのスペースへ駆け込む。奥からの浮き球パスに、痛みが走る右足で体を宙に浮かせ、強烈な左足ボレー。GKの跳ね返したボールを最後はMF佐藤由が頭から飛び込んだ。
15日に磐田との直接対決を制し、気温30度以上のインドネシアへ移動。19日のアジアチャンピオンズリーグ(ACL)ペルシクケディリ戦も勝ちながら、得失点差で決勝トーナメント進出を逃した。今季開幕前に掲げたアジア制覇の夢がついえた。
ショックから立ち直れないまま帰国した直後、Jリーグ幹部から「精神的に弱い」と指摘された。岡田監督は「サポート体制が整わない中、最後まであきらめず必死に戦った。(発言は)あまりにも情けない。選手に伝えられないよ」と怒りに声を震わせた。選手も同監督の雰囲気で感じ取っていた。苦い経験を無駄にしないためには、リーグ戦で勝ち続けるしなかった。
右ひざ痛で欠場の可能性があった久保は、前日22日の練習後、岡田監督に「右ひざは蹴るのが痛いだけ。僕が蹴るのは左足ですから」と出場を直訴。指揮官は無理を承知で途中起用に踏み切った。交代枠を使い切る総力戦で、磐田との勝ち点3差を守った。残り4戦。優勝の可能性がある限り、逆転でつかんだ昨季の完全優勝の再現を狙う。【山下健二郎】
[2004年5月24日付紙面から]
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