横浜久保、後半41分2点リードから出場
<横浜2−0神戸>◇6月12日◇神戸ウ
横浜岡田監督が、最後のカードを切った。選手に疲労が色濃く見えだし、劣勢に回っていた後半41分「5分間ぐらいのプレーなら問題ない」とFW安に代えてFW久保を投入。得点こそならなかったが、久保は攻撃の起点となり決定機を何度も演出。前がかりになっていた神戸の勢いを止め、全員が前線からプレスする意識を取り戻し、完封勝利を手にした。
前半ですでに2点のリード。右ひざの状態を考慮すれば、久保を温存する絶好の機会だった。だが、指揮官は「追加点を挙げるのが目的なら、もっと早く投入してもよかった。それ以上に攻撃の起点になってくれればと思った」と振り返る。リーグ終盤に勝ち点で磐田に並んでも、現状では得失点差で劣る。1点でも磐田に詰め寄るための判断だった。日本代表のエースである前に、横浜のエース。存在感だけで試合の主導権を奪い返せる選手は、久保以外にはいなかった。
MF奥を故障で欠き、DF松田は出場停止。安、柳の韓国代表もW杯予選の疲労を引きずっていた。ボランチ上野をトップ下で起用するなど策を講じた。後半20分すぎまでに坂田と上野をベンチに下げ、残された交代枠のカードは1枚。医療スタッフとの話し合いで出場時間を30分以内に制限されている久保の投入を、ぎりぎりの時間まで待った。フィジカル担当の池田コーチは「試合から遠ざかれば、久保の実戦感覚も鈍る。そのあたりも考えての監督の起用だと思う」と説明した。
首位磐田との勝ち点3差は変わらないが、主力を欠く状態で挙げた勝利は大きい。久保は「あれぐらいの時間なら大丈夫。点を取らないといかん」と闘志を燃やした。満身創痍(そうい)だが、昨季逆転で完全優勝に輝いた岡田イズムは、いまや全選手に浸透している。奇跡の再現を予感させる白星だった。【山下健二郎】
[2004年6月13日付紙面から]
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