

「オフトの財産」ベースに全員攻撃型へ進化遂げた
<名古屋2−1浦和>◇11月20日◇駒場
<こだわりのプレー分析:ゲームのツボ>
敗戦での優勝でも、今季の強さの象徴だった「攻撃力の浦和」は、最後まで健在だった。象徴的だったのは1点を追う前半44分。MF山田の左クロスにFWエメルソンが頭で合わせ、相手DFのクリアボールをDFアルパイがシュート。さらにGKのはじいた球を、左サイドを駆け上がったDFネネが蹴り込んだ。一連の攻撃はオフサイドと判定されたが、全員攻撃の迫力を見せつけた場面だった。
昨季まで2年間は、オフト監督から徹底して基本戦術を植え付けられた。バランスを重視し、ポジションの「追い越し」は禁止だった。守備は安定したが、攻めは硬直化していた。しかし、ブッフバルト監督は就任直後から「カバリングさえ忘れなければ、攻撃は自由に」と言い続けた。解き放たれた力が、爆発的な攻撃を生んだ。明らかに攻撃への意識は高まった。この日放った相手を11本も上回る19本のシュート数が、新生浦和の強さだった。
DFだったOBの西野努氏は「オフト監督が作った基礎を、ブッフバルト監督が形にした」。MF鈴木は「昨年と別のチームに見えるかもしれないが、変化ではなく進化」と言った。96年まで3季監督を務め、97年第2Sに初優勝した磐田と同様、ここでもオフト監督の財産は生きていた。
後半13分に退場者を出して守備を固める名古屋に対して、アルパイ、ネネ、闘莉王が前線に上がるパワープレーに出た。MF三都主は「自然と各選手のポジションが上がった」と振り返るが、一方ではMF山田と鈴木が最終ラインに下がって安定を保った。基本戦術に裏打ちされた積極的な姿勢。「攻撃力の浦和」は一朝一夕にして生まれたのではない。【山下健二郎】
[2004年11月21日付紙面から]
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