ジーコ日本代表「禁断」の紅白戦を敢行
【サンノゼ(米カリフォルニア州)7日(日本時間8日)=岡本学、西尾雅治、広重竜太郎】日本代表のジーコ監督(52)が「禁断」の紅白戦を敢行した。2日連続の2部練習となった米国合宿3日目のこの日、午前はセットプレー、午後は紅白戦中心に実戦的なメニューを消化した。W杯本大会へのサバイバル戦が激化するこの時期、けがを心配して主力と控えを対戦させることをタブー視する声もある。そんな中、敢行したミニゲームと紅白戦で、モチベーションの高い控え組が、主力組の課題を浮き彫りにした。
ミニゲームまで、とみられていた実戦練習が、紅白戦に突入した。直前まで行われた、コート3分の2面を使用した変則ミニゲームで、主力組は0−2と完敗。直後にすね当てが用意される。ジーコ監督は主力組に対し、4分ほどゲキを飛ばすと、試合開始の笛を鳴らした。
10日米国戦に備え、今日8日の地元日本人ユースチームとの練習試合は決まっていた。この日に紅白戦を行う必要はなかったはず。W杯イヤーに入り、定位置奪取を狙ってモチベーションの高い控え組を主力組と対戦させることは、けがなどの心配もある。そんなリスクも背負いながら、ジーコ監督は紅白戦まで敢行した。
27分で0−0に終わったが、シュート数は2−7と内容的には控え組が圧倒した。ジーコ監督は「(控え組が)どうしてもアピールしたいということで、動きが良かった」と評価した。最終ラインの押し上げ、ボールを奪ってからの速攻など、今合宿でジーコ監督が何度も指導してきたことを、控え組が忠実に実践。それが主力組の課題を浮き彫りにする“アシスト”となった。「今日は実際にミスがあっても流していた。明日は目立ったところを言う」。紅白戦後、ジーコ監督は多くを語らなかった。
指揮官のそんな思惑、意図を選手たちもくみ取っていた。MF小野が「どこでボールをもらうとか、どう動くとか確認できた」と言えば、DF宮本は「長い距離を走るとか、裏を狙うという動きが絡めば違ってくる」と今後へのイメージを膨らませた。また1トップの久保を生かすため小野、小笠原、遠藤らは、2列目から相手DFの裏へ飛び出す必要性を痛感するなど、各自が個人、そしてチームのやるべき課題を見いだした。「疲れもあっただろうし、明日はもっと良くなる」とジーコ監督。主力組の奮起を確信するような口調だった。
[2006/2/9/09:19 紙面から]
写真=長い影をグラウンドに作り、ダッシュを繰り返す日本代表イレブン(撮影・蔦林史峰)
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