男子代表が98年フランスW杯を目指し、必死の戦いを繰り広げたジョホールバルのころを思い出した。チームも一途、サポーターも一体。その真剣さと感動がよみがえった。今の男子代表が失いがちな要素だ。
3得点に目が行きがちだが、本当の勝因はまずしっかりと守ろうとした気迫だと思う。強敵に対して全員が初心に返って結束した。出てくる相手を2、3人で囲み、ゴール前で体を張った。相手は予定した攻撃ができずに次第に焦り初め、それが守備の乱れに結びついた。
前半の2得点は形を作って奪ったゴールではなく、相手のミスによる得点だったが、かえってそれで日本が心理的な優位に立ち、いっそう相手を焦らせる要因にもなった。
ホームの有利さが時間とともに加速し、日本をリズムに乗せたが、前後半の立ち上がりに浮つかず、しっかりとゲームプランを遂行したのは立派だった。
一生懸命さがスタンドに伝わった。スタンドの熱狂が選手達を鼓舞した。こういうサッカーは、気持ちがいい。(日刊スポーツ評論家)