
2005年2月6日更新
ヤバイんじゃない!? 韓国
サッカーライター:吉崎英治
すわ、非常事態!!??
韓国代表は気マズい雰囲気の中で最終予選に臨むこと間違いなし! だ。
最終予選初戦、ホームでのクウェート戦を5日後に控えた4日、エジプトを迎えて0−1で敗れた。
氷点下の気温の中、わざわざ砂漠の国をスパーリングパートナーに呼んで、負けたんだから、そりゃヤバイでしょう。
昨年末ドイツを破った時と同じ、3−4−3で臨んだ韓国。フラットなMFに、FWの中央は李東国。ワイドに開いた左右のFWにはスペイン帰りの李天秀、国内組のチョン・ギョンホが入った。
ボンフレール監督は試合前「クウェートよりエジプトはスキルフルだろう」と予想。
それが、悪い方に的中してしまった。前半からエジプトの細かいパスにほんろうされる。14分には相手FWの中央からのシュートが、DFに当たって方向が変わり、先制を許す。後半、ベンチ入りの6人をすべて投入しながら、ばん回を図ったが、及ばず。李天秀、交代出場のチョ・ジェジンらが決定機を逃した。
昨年12月19日にドイツに3−1で勝ち、いい形で1年を締めくくったボンフレール・コリア。続く1月の北米遠征では、2分け1敗に終わったが、中立地での善戦だったため、サポーターの期待はつながった。ところが、この試合ですべてがひっくり返った。
ここ最近(02年W杯以降)の韓国代表には「強きに強く、弱きに弱い」という傾向がある。
原因のひとつは、リーダーの不在。
この試合、昨年末からの負傷のため「出場は五分五分」と話す柳想鉄をリベロで起用した。チーム最年長、33歳の柳は「監督は自分のリーダーシップに期待しているようだ」とも話す。この日も若手の多いチームは、コンディションが万全でない柳が前半で退くと、流れを修正できないまま敗れた。
02年W杯ベスト4メンバーに、04年アテネ五輪ベスト16組。クウェート戦のエントリーのうち、海外組は5人。素材はそろっている。
本来なら海外組の中にも、リーダシップを取るべき年齢層の選手がいるが、試合直前の合流ではそれも難しい。
結局、負傷を抱える柳想鉄頼りのチーム構成のまま、最終予選に臨むことになった。
と、いう状況が見えてきたエジプト戦、試合後にボンフレール監督は「エンジンのかかりが遅かった。後半のプレーが前半に出来ていれば違ったのに」と振り返った。
これを聞いた韓国記者がちょっと怒った。
「それは、監督の指導不足じゃないでしょうか」と質問。しかし「選手が長所を発揮してこそ戦術も生きる」と苦しい答え。
さらにボンフレール監督は「この試合は、テストである」とも。選手にも試合前にハッキリとこう伝えたのだという。
でも、終了のホイッスルが鳴った直後、選手は倒れこんでたぞ。やっぱり、ヤバイでしょう。
まだまだ、ツッコミどころはある。
現地スポーツ紙によると、2月3日現在で最終予選初戦のチケットは1万3000枚しか売れていないという。旧暦の正月と重なるかららしい。試合会場のソウルW杯スタジアムの収容人数は6万6000人だ!
と、そんななかで、雰囲気を盛り上げたかったのか、有力紙「スポーツソウル」が仕掛けを試みた。エジプト戦の翌日、5日付の1面トップ記事で「2月9日、南北必勝!!」なんて見出しを打ち、02年W杯当時の応援風景がデカデカと紙面を飾った。
「南北必勝」!?
そんなことを許しちゃいかん。
2月9日は、南北ともにノックアウト! と行きましょう!!
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
吉崎英治(よしざき・えいじ)

1974年(昭49)、長崎県生まれ。サッカーライター。99年、大阪外大朝鮮語科卒。日本、韓国のトピックスを中心に週刊サッカーマガジン、ナンバーなどに寄稿している。
|