
2005年1月10日更新
イランは日本をライバル視、北朝鮮は…
イラン国営通信・通信記者:ダヴィッド・モクタリ
今年もサッカー好きのイラン人が“チョー”熱くなりそうだ。06年W杯ドイツ大会のアジア最終予選で、イランは日本、バーレーン、北朝鮮とB組で戦うことになった。前回の日韓共催のW杯にイランは参加出来ず悔しい思いをした。今度こそドイツW杯に行こうという気持ちがイラン人たちの心を熱くしている。
おそらくB組の中で、イランが一番意識しているのは日本だろう。世界ランキング17位の日本は20位のイラン最大のライバルである。組織的に強くて最後まであきらめない日本と、個人技に優れるものの、ちょっと短気なイラン。対照的なチームがどう戦うのか、楽しみだ。日本はラインから出そうなボールでも必死に追いかけてマイボールにして、そこからチャンスをつくったりする。その点、イランはあきらめが早く、(もう出るな)と思ったら追いかけずにやめてしまうことが多い。そのあたりは国民性の違いかもしれない。日本との対戦ではそれで痛い目を見たこともある。
日本とイランの最初の試合は3月25日にイランで行われる。イランの新年(ノールーズ)にあたり、気候も最適。おそらく観客席は仕事をさぼって応援に燃え上がるイラン人であふれるだろう。ここで日本が勝つ可能性はかなり低い。だが次の試合は8月に日本でキックオフ。しかもイラン人が苦手な、むし暑い真夏だ。これは日本にとって大きなチャンスになるだろう。
イラン人は基本的に勤勉な日本人に関心と好感をもっている。だから、今、もしイラン人にA組・B組の8チーム中、どのチームにドイツW杯に行ってほしいか尋ねたら、おそらく「イランの次は日本だ」と答える人が多いだろう。伝統的にサッカーが盛んなイランはここ数年の日本サッカーの進歩に驚きを隠せない。昔は日本をあまり相手にしなかったイランが、最近の日本を強いライバルとしてすごく意識している。
もちろんイランはバーレーンと北朝鮮も甘く見ているわけではない。なぜなら02年のW杯の最終予選でイランは絶対勝てると思っていたバーレーンに負けて、出場権を逃したからだ。その時のイラン国民の悲しげな顔は今も忘れられない。伝統的にイランはアラブの国を苦手にしている。1つは暑すぎる気候が合わないということもある。97年にマレーシアのジョホールバルで日本とのW杯アジア第3代表決定戦に敗れたが、ああいう蒸し暑い気候では、イランのサッカーは力が出ない。それとアラブの国に対して、文化的な問題もあって、ちょっと見下すような感じがあり、それが戦い方に良くない影響を与えてしまっているのかもしれない。
北朝鮮がイランと同じ組になったことに対して、イラン人は甘くは見ていないが、無関心だ。もともとイラン人にとって北朝鮮はとても遠い国であり、日本や韓国と同じ地域にあるにもかかわらず情報はほとんど届かない。ただサッカーのスタイルは他の東アジアの国々と似ているだろうと考えている。イランはアラブの国に対しては相性が良くないが、東アジアに対しては相性がいい。韓国に大勝したこともある。いずれにしろ、今回の試合でイラン人は北朝鮮をあまり問題視していないことは確かだ。
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ダヴィッド・モクタリ(Davoud Mokhtari)


1963年、イラン・テヘラン生まれ。イラン国営通信の東京駐在の通信記者。86年に来日し、東洋医学などを学んだ。現在は通信記者として東京発のニュースをイランに送っている。日本語は堪能で、今回の原稿も、すべて日本語で執筆している。著書に「イラン・ジョーク集(笑いは世界をつなぐ)」(青土社)。
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