
2005年2月2日更新
北朝鮮のあこがれは仏代表?
サッカーライター:吉崎英治
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| 韓国サッカー研究所が発表した北朝鮮のユニホーム |
いやー、驚いた。
W杯アジア最終予選に臨む北朝鮮代表のユニホームが、電撃的に発表された。それも、ソウルから。
1日、ソウルで「韓国サッカー研究所」が記者会見を開き、同研究所がW杯アジア最終予選に臨む北朝鮮代表チームにユニホーム以下、約1000点のサッカー用品を提供すると発表。2月9日の日本戦で着用するユニホームのデザインも公表した。
メーカーはアディダス。ホームと思われるのは、赤・赤・赤の組み合わせで、フランス代表の現行モデルを赤ベースにして、腕の下半分に青のラインが入っている。アウエーは、白・白・白。赤の3本線が入り、腕下のラインは青になっている。ちょっと、日本っぽい・・・
▼なんで韓国からなの?
▼「研究所」って、どんなところ?
昨年12月に発足した「韓国サッカー研究所」(ホ・スンピョ理事長)は、韓国国内注目の新組織。国内のトップ解説者、大学教授、監督・コーチ経験者など博士号を持つ11人が研究員として在籍し、社団法人化への申請を推進している。
設立の主な目的は、研究結果から育成、マーケティングなどへの政策提言を行い、韓国サッカーの発展に寄与すること。その中で「国内ではどんな運営方法なのかも、全く分からない」という北朝鮮サッカー研究はぜひ取り組みたい課題の1つなのだと言う。
そこで同研究所は、在日コリアンのエージェントを通じて、先月10日に第3国で北朝鮮側と接触。「将来の研究のため」いくつかの交流事業を提案したところ、ユニホーム以下、ベンチコート、シューズなどのサッカー用品の提供について、肯定的な反応があり、2〜3日で受け入れの返事を出してきた。
同所はすぐに、韓国政府統一部にこの支援の承認を申請。ホ理事長自ら「驚いている」というほどのスピードで事が進み、今回の発表に至った。
以前は、北の関係者と交渉に臨んでも、返事が6カ月後に帰ってくることがザラにあったのだという。
▼北朝鮮は気まずくないの?
▼なんで、アディダスなの?
今回、研究所が提案した数ある交流案のなかで、北が用品提供を受け入れた理由は「ノーコメント」。
北朝鮮代表の台所事情が決して良くないことは推測がつく。「スポーツ朝鮮」の翌2日付の紙面は「北、理念より実利を優先」との見出しを打ち、受け入れの背景を「冷戦以降の南北交流ムードのなかで、北にとっても民間交流のチャンネルを開くいい機会であること。そのなかで今回用品の提供を受け入れることは、政治的に問題がないと判断が下されたのだろう」と分析した。
とはいえ、やっぱり気を遣う面はある。研究所は、北朝鮮側と支援の合意を得たものの、ブランド選定には少し時間がかかった。アメリカの会社であるナイキは「北朝鮮に配慮」(ホ理事長)して、除外。韓国国内ブランドも対象から外れた。最終的に交渉相手に落ち着いたのは「過去にも北朝鮮が着用していた」(同)というアディダスだった。
ところが、アディダス・コリアの返答が来るまで2〜3日かかった。この間に「日本代表もアディダスだが大丈夫か」なんて確認を取っていたらしい。
ブランドが決定してからは、デザイン・製作と大慌ての作業に。ちなみに北側は相談するなかで「フランス代表のデザインにできれば」と希望を出してきたという。
…というような記者会見は45分くらい続いた。締めくくりには「われわれは、北朝鮮の戦力はすごく向上していると分析しています。南北の同時出場を祈っています」。
・・・まあ日本が勝ちゃ、何でもいいんですけど!!!
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
吉崎英治(よしざき・えいじ)

1974年(昭49)、長崎県生まれ。サッカーライター。99年、大阪外大朝鮮語科卒。日本、韓国のトピックスを中心に週刊サッカーマガジン、ナンバーなどに寄稿している。
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