ノリダーだ、松中だ−−。日本代表が近鉄中村紀洋内野手(27)、ダイエー松中信彦内野手(26)の連続本塁打でオランダに大勝。シドニー初勝利を挙げ1勝1敗とした。4−1で迎えた4回、4番中村が自慢のフルスイングで左翼席へ2ラン。続く5番松中も右翼席へ豪快に運んだ。ペナントレースで本塁打王を争う2人のバットが、前日、米国にサヨナラ負けしたショックを吹き飛ばした。今日19日のオーストラリア戦はロッテ黒木が先発し、連勝を目指す。 シドニーの夜空に、中村のバットが高々と舞い上がる。フルスイングから描かれる鮮やかな放物線は、五輪の大舞台でも実現した。打球は左翼芝生席へ。この1発が勝利の「儀式」への合図だった。 4回、ついに飛び出した中村の五輪初アーチ。待ってましたとベンチは空っぽになった。西武松坂も、ブルペンから駆けつけたチームメートも、だれもが笑顔でカンガルーのように両手を顔の位置まで掲げて並ぶ。その格好で、凱旋(がいせん)した中村とハイタッチ。開会式で見たオーストラリア先住民、アボリジニのダンスを黒木が音頭を取って「五輪バージョン」に採用したものだった。その中村とキング争いを演じるダイエー松中も「当然狙いました」。中村の1発から、わずか1分後だった。連続弾でオランダ投手陣を粉砕。この時点で、今大会初勝利を確実にした。 負ければ予選敗退のピンチだった。前日17日、米国に適時打が出ないまま延長13回の末、敗れた。一方、野球途上国とみられていたオランダだが、オーストラリアを破って勢いに乗っていた。「プロが軸になって投手を援護しないとダメだと話した」。4番を打つ中村の言葉はだれも同じ思い。この日は、3番からプロ4人を並べた新打線で臨んでもいた。1回の先制も田口、中村の連続二塁打。2回の勝ち越し2点打は鈴木。予選敗退では公式戦を離れてシドニーに来た意味がない。プライドにかけた波状攻撃で撃破した。 「めっちゃうれしいですわ。五輪で打てて、どの本塁打より印象に残る本塁打になった。1度、国際試合で打ちたかったですから」。自称、日本のマグワイア。その豪快な空振りは異国でもウォーと大歓声が沸いた。「なんでおれの(空振りパフォーマンスを)知ってるんか不思議ですわ」と笑った。右のかかとを痛めながら、志願して指名打者で出場の松中も負けていない。熊本から応援に来た両親の前で派手なガッツポーズも見せ「前回は自分の成績を意識したが今回はプロとして来た。チームのためだけを意識してる」。 頼もしい大砲コンビで7安打5打点、チームは毎回の17安打。この勢いで今日は地元オーストラリアと激突する。「サムライになって日本に帰ろう」。そう叫んだ黒木が先発マウンドに立つ。【田誠】 ▽予選リーグ オランダ 010000100=2 日 本 13030021×=10 【オ】シチュワルト、デイクホフ、レメルスワール、デランヘ−バレンテイナ 【日】吉見、土井、河野−鈴木