70年10月、奇跡のカムバックを遂げたアリだが、復帰3戦目の71年3月、世界王者のジョー・フレーザーとの対戦では判定負け。限界説がささやかれたが、闘志は衰えなかった。日本での試合も含め、なんと2年半で13試合を消化、12勝1敗と驚異的な成績をマーク。さらにフレーザーとの因縁の再戦を12回判定で退け、ついに王者フォアマンへの挑戦権を獲得した。
しかし、世間の評価は、圧倒的にフォマン有利だった。ニューヨークのかけ率は「3対1」、ロンドンでは「11対5」。25歳で40連勝(37回KO勝ち)を続ける若い王者の優位は動かなかった。
しかし、再びアリは奇跡を起こした。
「本当のプロを見せてやる」と、試合前のリング上でフォアマンを罵倒。挑発された王者は1Rからパワー全開で、重いパンチをアリに打ち込み続けた。王者の優位の状況は、試合開始後も変わらなかった。
が、リングにいたアリだけは違った。「長引けばオレの勝ち。3回までは、ロープ際で体を休めていた」。4回以降、アリのジャブが的確にヒット。巧みなディフェンスは、王者のスタミナを奪っていった。
そして、運命の8回。疲れの見えたフォアマンの顔面に、鮮やかなワン・ツー。右ストレートを浴びたフォアマンは、顔面からリングへと崩れ落ちた…。 「開始前に叫んだのも、俺の血圧と緊張を下げるため。これがプロのファイトだ」。アリ32歳。初のタイトル奪取から10年目の奇跡のカムバックだった。
さらに、3年間で10度の防衛を積み上げた。しかし、戦いのモチベーションの維持は困難だった。度重なる引退宣言、試合は判定防衛が続いた。
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アディダスではグローバル・ブランドキャンペーン「IMPOSSIBLE IS NOTHING(『不可能』なんて、ありえない。)」を展開している。このキャンペーンのTVCMは、アリと一流アスリートたちが一緒にランニングする「ロングラン編」、現役時代のアリが、娘のレイラとボクシングで対戦する「レイラ編」、パラリンピック金メダリスト、ステイシー・コーハットが車いすでハーフパイプに挑戦する「ステイシー編」の3本あり、3月31日からオンエアされる(アディダスwebサイトでも公開予定)。
中でも注目すべきは「ロングラン編」。74年、アリが当時の世界王者ジョージ・フォアマンとの対戦前に、ザイールでランニングしている。このランニングに加わるのは、デビッド・ベッカム、ジネディーヌ・ジダン、イアン・ソープら現役トップアスリート。最新のコンピューターグラフィックによって、現役時代のアリと現代の一流アスリートの共演が、見事に「実現」している。
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