「たぶんこれをしないとシドニーでまた自分の目標を達成できないだろうなと思ったから」。五輪3カ月前、谷は過去2回の五輪のビデオを見返した。悔しい思いを忘れるため、決して自ら望んで目にすることはなかったシーンの数々。「なぜ決勝までいって目標を達成できなかったのか」。1回戦から見続けて勝てなかった理由を探すとすぐに分かった。
準決勝直後の自らの表情を疑った。バルセロナでは金メダル最有力候補だったブリックス(英国)に勝った後、うれし泣きをしていた。アトランタでは最大のライバルとされたサボン(ブラジル)を破った後、笑顔でガッツポーズをしていた。「私の目標がここで1度達成され、気持ちが途切れていた。これで銀メダルを初めて深く受け入れられた」。その翌日には自費でシドニーを視察した。建設途中の試合会場に足を運んだ。準決勝を突破した後の自分の表情を想像した。「笑うのは決勝で勝ってから。テーマは最高で金、最低でも金」。過去2大会で立ちはだかった壁を準決勝で乗り越えた。
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| 柔道女子48キロ級決勝 田村亮子はブロレトワに内またを決め、金メダル獲得=2000年9月16日オーストラリア・シドニー(写真=鹿野芳博) |
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