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2004/09/02
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それでも再びウッズは強くなる!
― タイガー・ウッズ ―
タイガー・ウッズが弱くなった。そんな声を耳にします。確かにかつての強さは陰を潜めていますが、必ず復活してくると信じています。全米プロ、NEC招待に行って実際に見た彼は調子を崩していても、メンタルの強さを発揮していました。ウッズの時代から、戦国時代になろうとする男子ゴルフ界の現実と未来を話します。
ウッズの世界ランク1位が危うくなっています。V・シン、エルス、ミケルソンがものすごい勢いで追ってきました。丸山プロのコーチで帯同した全米プロ、NEC招待で抜かれる可能性もあったのですが、何とかその座に踏みとどまりました。
理由について、僕は「道具の進化+ウッズの不振」が同時進行としたと分析します。まず、クラブとボールのたび重なる開発によって、どの選手の飛距離も伸びた。00年まではウッズ1人が300ヤード以上飛ばしていたのに、01年には特別な存在ではなくなった。特にタイトリストのボール「Pro V1」が登場してから男子プロゴルフ界のレベルがグッと上がりました。
彼自身の不振は、コーチだったブッチ・ハーモン氏との別れによるものが大きいと考えます。明確な理由は分かりませんが、信頼できるコーチを失ったことで、客観的で的確な忠告を受けられなくなった。「自分でどこを修正すべきか分かっている」と話していても、だれもが自分には優しいのです。理想のスイングを追い求めながらも、1人ではどこかで妥協してしまう。「もう修正できた」と確信していても、理論を知り尽くしたコーチの目からはそう思えないというケースもあるのです。
全米プロの前、ウッズは「ドライバーが調子いい」と主張しましたが、ラウンドではボールが大きく左右に曲がりました。ダウンスイングでクラブがインサイドから入りすぎて、引っ掛けたり、プッシュしたりと苦しんでいました。練習場では気持ち良くボールを打っていても、コースでは「真っすぐ飛ばしたい」という強い意識が働いて逆に体に力が入っていました。
それでも彼は残り9ホールで2つ伸ばさなければ落選という危機を切り抜け、予選通過記録を129(全米プロ終了時)に伸ばしました。調子が悪くても、どうにかする。これは丸山プロにも通じることですが、超一流の証しといえます。
周囲は「世界1位」からの陥落を騒いでも、ウッズに焦っている雰囲気はありませんでした。追ってくる3人との戦国時代を受け入れて「今は我慢の時」と力をためているようにも感じました。ニクラウスでさえ約2年間、優勝から遠ざかった時期があるのです。どんなに努力してもバイオリズムの悪さで結果が出ないこともある。あきらめてしまえば終わりだけど、ウッズはそうじゃない。
富も名声も手に入れて「バーンアウト(燃え尽き症候群)になった」という声も聞えてきますが、そうは思わない。あの全米プロ2日目での気合がある限り、彼はもっと強くなる。近い将来、4人の中から抜け出すのもウッズだと信じています。
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◆内藤雄士(ないとう・ゆうじ)
1969年(昭和44年)9月18日、東京生まれ。日大ゴルフ部では丸山茂樹らと同期。米国にゴルフ留学し、サンディエゴアカデミーなどで最新のスイング理論を学んだ。98年から日本ツアーでプロコーチでの活動をスタート。01年に丸山と契約し、日本人で初めて米ツアー(USPGA)プロコーチとして、マスターズ、全米オープン、全米プロのメジャー大会に参加した。(株)ラーニングゴルフクラブ(杉並区高井戸)の代表取締役で、2月から新宿駅ビル「マイシティー」屋上で開校した「クラブ23ゴルフスクール」を丸山と主宰している。
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