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内藤雄士の「世界最新スイング」
2005/01/27 過去のコラム一覧を見る

伸び上がってあおる癖修正し丸山3位

― ソニーオープンを振り返る ―

 今年も米ゴルフツアーがスタートしました。開幕第2戦のソニーオープンでは、僕と契約する丸山茂樹プロが優勝争いを演じました。正直、勝てた試合で3位に終わったことはコーチとしても悔しい。試合を振り返りながら、僕たちの課題と希望を紹介します。

 勝てた試合でした。上位陣がスコアを伸ばしたわけでもなく、丸山のショットもパットのストロークも悪くなかった。ただ、流れがつかめなかった。難しいラインにボールがついたり、ショットを打った直後に風が収まってグリーンを外れたり…。本人は優勝したV・シンや2位のエルスを特別に意識したわけでもなく、自分とだけ闘っていました。それでも後半に入ると、気持ちの高ぶりからパットにパンチが入って、カップをオーバーする場面もありました。「どうしても勝ちたい」。その一心だったと思います。

 昨季は米ツアー参戦5年目で最高の賞金230万ドルを稼ぎながら、優勝できなかった悔しさを残したシーズンでした。だからこそ開幕前から「優勝できれば、あとはどうでもいい」と発言しました。もっとも人気者の彼は、オフも仕事に忙しく、十分に練習を積めずに、実際の状態は60%程度。当然、いきなり優勝争いのイメージなどありませんでした。マスターズ前の3月に調子を上げることを想定して「今回は20位以内を目標に」と気楽に臨んでいました。

 技術的に2人で話し合ったのは、3つのポイントを確認しながらプレーすることでした。(1)バックスイングで右ひじをインサイドに引きすぎない(2)ダウンスイングで右かかとの蹴りを抑える(3)インサイトインの正しい軌道で振る。伸び上がってあおってしまう癖を修正することが狙いでした。

 それでも彼は初日から最高に近いプレーをしました。地力が付いた証しです。もともと会場のワイアラエCCは、グリーンの目が粗く不得意なコース。2年前は「主催がソニーじゃなけりゃ、欠場しているよ」と話していたほどですが、今回は苦手意識を克服した。世界最高峰ツアーで培った経験を生かしていました。

 2日目で首位に立ち、3日目でホールインワンもマークするという運もありながら勝てなかったことは、悔やんでも悔やみきれません。ただ、彼はこうも言いました。「勝った試合で学べることはないが負けた試合では多くのことを学べるもの」。

 その通りだと思います。昨年のニッサンオープンと全米オープン、そして今回のソニーオープンと、チャンスを目の前にしながら勝てなかったことは、彼をさらに成長させる材料になるはずです。悔しさをバネに勝つためにさらなる技術の追究、メンタルの向上を目指す丸山茂樹。コーチとして、僕も全力でサポートし続けたいと思っています。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

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内藤雄士(ないとう・ゆうじ)
 1969年(昭和44年)9月18日、東京生まれ。日大ゴルフ部では丸山茂樹らと同期。米国にゴルフ留学し、サンディエゴアカデミーなどで最新のスイング理論を学んだ。98年から日本ツアーでプロコーチでの活動をスタート。01年に丸山と契約し、日本人で初めて米ツアー(USPGA)プロコーチとして、マスターズ、全米オープン、全米プロのメジャー大会に参加した。(株)ラーニングゴルフクラブ(杉並区高井戸)の代表取締役で、2月から新宿駅ビル「マイシティー」屋上で開校した「クラブ23ゴルフスクール」を丸山と主宰している。

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