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後藤新弥の「DAYS' online」タイトル
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 2003年07月24日更新

日記をつけよう

<谷川真理さんはマラソン絵日記を推薦>

 宿題をやらなくては、勉強をしなくてはと子ども心に思いながらも、いざ朝、机に向かってもその義務感がピンと来ない。やっぱり退屈でも、時間で義務を達成させてくれる学校の授業や塾の方がいい。自分で自主的に勉強するときには「先生の目を盗んで漫画を読む」とか、「居眠りする」「向こうの女子の横顔を盗み見る」といった楽しみもない。結局、夏休みはつまらない、退屈だ−−思い返してみると、そう感じたことの方が多かったような気がする。

 宿題は「あと3日で始業式」ぐらいにならないと、やらなかった。やれなかった。そして、実際にはそれでも十分やれたのである。

 ただし、ためにはならなかった。先生や親のための作業のつもりだったから、身に付くはずがない。

 日刊スポーツ本紙では、子どもと、心配性の親御さんのために、「こんな夏休みの自由研究テーマ」を文化社会部で連載した。22日付で、谷川真理さんが面白い提案をしている。

 以下、寺沢卓記者の原稿の転載。

 ******************

 マラソン界で市民ランナーから世界に飛び出した谷川真理さん(40)は「何も無理して走らなくても、その楽しさは分かるはず」と話す。さて、走ることを通してできる自由研究とは?

◇  ◇  ◇

 走るのは好きですか? きっと、嫌いな人もいるよね。じゃ、この夏休みで好きになっちゃおうか。ただ、走るだけじゃなくて「マラソン絵日記」をつくってみようよ。

 用意するものは、万歩計とやる気。今の万歩計は歩幅の長さを登録すると、歩いた距離を計算してくれるものがある。それがなくても1歩の長さを測って掛け算すれば、自分の走った距離が出るよね。もしダメになりそうになったら、歩けばいいよ。毎日続けることが大事だね。

 走っているときに、何か気付くことがあるはず。セミの鳴き声とか、入道雲とか、朝早ければ何時ごろ太陽が顔を出すかとか。ラジオ体操の前に走っちゃってもいいね。おじいちゃんやおばあちゃんの家に遊びに行ったときに近所を探検しても面白いと思うよ。そんなことを絵日記にして書いてみよう。

 私も子供の時は団地に住んでいて、何人かでチームを組んでリレーをしてた。私は速くていつもアンカー。みんなからは「ガニマタねえちゃん」なんて呼ばれてた。でも、友だちと一緒に遊んで、かけっこをして、気がついたら走るのが好きになってたのよ。できれば、お父さんやお母さんも誘って一緒に走ってみよう。ゆっくり走っていれば、会話も弾むかもね。

 絵日記には、その日走った距離を書いておく。それで、夏休み最後の日に全部を足して何キロになるか計算してみよう。例えば1日3キロ走って40日続けたら、なんと120キロ。すごくない? 地図で自分の家からどこまでいける距離かな。「私はこの夏休みで○○まで走りました」って書けたら、カッコイイと思うよ。

◇  ◇  ◇

 ◆谷川真理(たにがわ・まり)1962年(昭和37年)10月27日、福岡市生まれ。91年東京国際女子マラソンで優勝。94年パリマラソンではロバらを破って大会記録2時間27分55秒で優勝など、海外でも活躍。97年にはイタリアで開催された欧州100キロマラソンで9位。98年長野五輪で聖火リレーランナーも務めた。マラソンアドバイザーとして、タレント長谷川理恵のコーチも。

 ****************

 ここでなるほどと思うのは、変わり種の絵日記という点ではなく、「毎日、(走った)歩いた距離を書き留める」ことの効果だ。大切なことは、「たくさん走ったから今日は偉い」「とか「今日の私はだめな私」といった“評価”をせず、照る日もあれば曇る日もあるのだと初めから納得して、単に数値を書き留めることだろう。走れなかったからといって自分を責めないことだ。

 単に数値を記録するうちに、体調とか天候、気分などとの相関関係が自然に分かってくるし、どうしたら距離が伸びるかも、本能へのフィードバックによって、自然に理解し始める。

 その「自分を責めない」無邪気なスポーツの楽しみ方を補助するのが、「面白かったこと」を主体に「絵日記を書く」ことなのだろう。自分にノルマを課して、自分ではなくいつの間にかノルマのために走り続けてしまうのと、「今日は犬がウンコするのを見た。ちなみに何キロ走った」と楽しく走って楽しく書いて、気が付いたら東京=箱根間120キロを走破していた、というスタイルの違い。

 真の「自由形夏休み」は、けっこう奥深くて難しそうだが、谷川さんのアドバイスは参考になりそうだ。



著者の言葉
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著者プロフィル
 後藤新弥(ごとう・しんや) 日刊スポーツ編集委員、57歳。ICU卒。記者時代は海外スポーツなどを担当。CS放送・朝日ニュースターでは「日刊ワイド・後藤新弥のスポーツ・online」(土曜深夜1時5分から1時間。日曜日の朝7時5分から再放送)なども。
 本紙連載コラム「DAYS’」でミズノ・スポーツライター賞受賞。趣味はシー・カヤック、100メートル走など。なお、次ページにプロフィル詳細を掲載しました。
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