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 2005年12月02日更新

スーパーGT最初の1年、05年を振り返る

 長いようでアッという間だったスーパーGTの1年目。もう終わってしまいましたねぇ。スーパーGTファンのみなさんは、もう一段落の気分でしょうか。

 レース取材をしている私たち取材陣やレースの関係者は、最終戦が終わっても終わりというわけにはいかず、取材や原稿に追われる日々がまだ付いています。来週にはシーズンの締めになるスーパーGT表彰式「SUPER GT AWARDS 2005(スーパーGTアウォーズ)」もありますし、私もその準備に追われています。

 さて、それを前にして今季をさっと振り返ってみたいと思います。でも、単にどんなレースか書いても詰まりませんので、私流に各レースのMVC(モースト・バリアブル・カー:最優秀マシン)を優勝者以外から決めながらいってみたいと思います。

 まず、開幕戦岡山。ここではトムススープラ36号車(土屋武士/コートニー組)を挙げましょう。トップ争いはECLIPSE ADVANスープラとザナヴィニス モZによって激しく行われました。新型スープラの調整、セッティングが間に合わないと判断して、前年型で挑むドタバタの中、2位になったのはさすが。この36号車の今季を早くも表していたような気がします。

 第2戦富士は、新コースのお披露目レースでした。レースはZENTセルモスープラのブッチギリというGTには珍しいレースでした。ここで注目だったのはイエローハットYMSスープラ(服部尚貴/脇阪薫一組)。レース序盤、接触でクラス最後方近くまで落ちながら凄まじい追い上げで3位。比較的淡々とした500キロのレースに激しさを加えてくれたと思います。そして、第3戦セパンは、もう文句なくARTA NSX(伊藤大輔/ファーマン組)ですね。終盤、ザナヴィZのライアンと伊藤の壮絶なトップ・バトル。熱中症でゴール後に倒れた伊藤には、長年レースを見てきた者であっても本当にしびれました。

 火災事故があってヒヤリとした第4戦SUGO。その混乱を乗り越えて若手コンビのトムススープラ37号車が優勝でした。実はまだGTで日産車が勝ったことのないSUGO、今回このジンクスをカルソニックインパルZ(井出有治/トレルイエ組)が破るかに見えましたが…。火災事故後の再スタートで井出が接触、ほとんど最後尾まで落ちて万事休す。その後4番手走行するほどまで巻き返す速さがあっただけに、惜しいレースでした。優秀とは言えなかったけど、敢闘賞ですね。

 ホンダのホームコース、もてぎでの第5戦はNSX軍団が総力戦できました。4台すべてのNSXがトップ争いに絡む、NSXファンにはたまらないレースだったのではないでしょうか? 一方GT300クラスではDream Cube's ADVAN Zが独走で優勝。ここで75kgのウエイトを背負いながらきっちり3位になったARTA Garaiya(新田守男/高木真一組)が光りました。Garaiyaというと速さの点で目立ちますが、この2人のドライバーの堅実な走りもすばらしいものだと思います。

 第6戦は2度目の富士。このレースはZENTセルモスープラの立川祐路とEPSON NSXの松田次生の終盤のバトルに尽きるでしょう。決勝での松田も拍手ものですが、雨の予選のポールポジション、そして“富士”得意のスープラを寄せ付けなかったロッテラー(EPSON NSX)も大いに評価したいですね。第7戦オートポリスは、ARTA NSXの完勝でした。ただ、シリーズを考えると少し遅すぎた勝利、この前のもてぎで勝っていれば…。“たられば”ですがね。ここではG'ZOX・HASEMI・Z(金石年弘/コマス組)の健闘が光りました。“実質”メーカーオーダーで2位を譲りましたが、こんな走りがシーズン序盤からできていれば勝てる、チャンピオン争いに十分加われるのに。金石もGTフルシーズン3年目だけに、もっと暴れて(良い意味で)欲しいです。

 そして、最終戦鈴鹿。いやぁ、雨の大変なレースでしたね。このレースのハイライトは、終盤ZENTセルモスープラの立川を追い上げたザナヴィニスモZのライアンでしょうか。もし、ライアンが抜いていれば大大逆転チャンピオンでしたから、まさに手に汗握るラスト2周でした。

 最後に私の今季MVD(今度は最優秀ドライバー)を。GT500はもう文句なし。ZENTセルモスープラの立川祐路。今季5勝したスープラの開発ドライバーであり、うち3勝を自ら挙げたのですから。敢闘賞は山あり谷ありの活躍だったARTA NSXの伊藤大輔に。

 GT300のMVDは、RECKLESS MR-Sの山野哲也。第7戦オートポリスと最終戦鈴鹿の走りは感動もののマシンコントロールでした。2年連続、しかもまったく違うチーム、マシン、タイヤでの獲得です。さらに山野は今季の全日本ジムカーナというまったく違うカテゴリーでもチャンピオンで、これも2年連続2冠です。この人選も文句なしでしょう。敢闘賞にはARTA Garaiyaの高木真一に。ミスターGT300の新田の影に隠れがちですが、今季はアタッカーに、そして厳しい終盤で大健闘を見せていました。

 大急ぎで、今季を振り返りましたが、やはり各レースすべてに見せ場がありましたね。こう書いていても、あのバトルが頭の中に甦ります。そんな今日この頃ですが、実は、もう来季のマシンのシェイクダウン(初テスト走行)やパーツ、タイヤのテストが始まっています。いやぁ、ホント風邪引く暇もありゃしない(いや、本当はここ数日、酷かったんですけどね(苦笑)。シーズン終わって気が抜けたのかなぁ)。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

古屋知幸(ふるや・ともゆき)

 モータースポーツ・ライター。神奈川県出身。レースのドラマやテクノロジーに魅了され、学生時代から富士や鈴鹿に通う。1988年にレース雑誌の編集・企画に加わって以来、国内のレースを追い続けている。JGTC/スーパーGTでは、94年のスタート時からすべての公式戦を取材し、公式のレポートやウェブサイト、レース専門誌でGTのレポートを執筆している。
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