トヨタ初表彰台獲得!参戦4季53戦ついに…
<F1:マレーシアGP>◇第2戦◇決勝◇20日◇セパンサーキット(1周5・543キロ×56周)
参戦4季目のトヨタが、初の表彰台を獲得した。予選2位のヤルノ・トゥルーリ(30)がスタートから安定した走りを見せ、そのまま2位でフィニッシュした。相棒のR・シューマッハーも5位で2台ともポイントを獲得。新マシン「TF105」の信頼性の高さを証明する危なげないレースだった。優勝はアロンソで、ルノー勢は開幕から2連勝。BARホンダはバトン、病欠した佐藤の代役デビッドソンともにリタイアした。
ピットクルーが、子供のようにはしゃいで両手を上げた。視線の先には、トヨタの白いレーシングスーツでシャンパンを持つトゥルーリがいる。世界最高峰レースに船出して4季目。苦節53戦目で初めてつかんだ表彰台に、誰もが興奮した。
高橋技術担当ディレクターは、最終周まで表彰台を確信できなかった。そのため、チェッカーの瞬間を見るための場所取りに出遅れた。それでも満面の笑みだ。「3日間、何のミスもなく予定を100%こなせた。現場だけでなく、ケルン工場のスタッフもものすごい努力をしたから」。全技術者の気持ちを代弁した。
開幕オーストラリアGP。トゥルーリが予選2位から出ながら、原因不明のトラブルで9位に終わった。しかし「信頼性には自信があった」(トゥルーリ)と巻き返しを信じた。再び2番グリッドから、フィジケラ(ルノー)につつかれながら2位をキープ。首位アロンソの背中はみるみる遠くなったが、焦りはない。ピットはアロンソより、後方のライバルとの詳細なタイム差を伝え、2位確保を意識させた。
不遇の1年をバネにした。03年末に天才技術者ガスコイン氏を4年推定30億円の巨額で招聘(しょうへい)。無駄を省き、優先順位を明確にしたマシンづくりを目指した。組織改革の下準備に、昨年丸1年を費やした。成績が上がらず批判され続けたが「計画をこなせればいけると思っていた」と耐えた。同氏のノウハウが凝縮された初のマシン「TF105」で、これまでのチーム最高順位だった5位を大きく更新した。
19日の米インディカーシリーズ第2戦では、トヨタがワンツーを決めた。ルマンを制したマツダ、F1で栄華を極めたホンダと同様、トヨタが世界で最速の座を狙えるチームになった。もう中堅では終わらない。F1界に、新たなジャパンパワーの脅威が生まれた。
写真=トゥルーリのマシンに懸命なピット作業を行うトヨタのチームスタッフ(共同)
トゥルーリ、亡き友に捧ぐ表彰台
トゥルーリは亡き友に、新チームでの初表彰台をささげた。友人の消防士ステファノさんが、母国イタリアで消火作業中の事故で亡くなったと知らされた。前日は「彼が死ぬなんて、この上ないショック」と動揺していたが、レースでは悲しみを振り払って着実にラップを刻み、トヨタに初の栄冠をもたらした。レース後、トロフィーを受け取ると天を仰ぎ、親友に祈りをささげた。シャンパンファイトにも参加せず、1人涙していた。
キムタクがトヨタ祝福「嬉しい」
4月スタートのフジテレビドラマ「エンジン」でレーシングドライバー役を演じる木村拓哉(32)が「お2人が完走できて本当にうれしいです」と祝福のコメントを寄せた。木村はドラマ収録のため同サーキットを訪れており、先ごろR・シューマッハー、トゥルーリとエールの交換をしたばかり。
トヨタ社長、初表彰台に「素晴らしい」
張富士夫トヨタ自動車社長は「初の表彰台を目指す、今年の目標が第2戦のマレーシアGPで実現できたことを心から喜んでいる。トゥルーリの素晴らしい走り、それを支えたスタッフの健闘をたたえたい」とコメントした。
驚異的スピード!ルノーが開幕2連勝
ルノーが開幕2連勝を飾った。ポールポジションのアロンソが序盤から驚異的なスピードを見せ、同僚フィジケラが勝った開幕戦を再現した。苦戦するライバルのフェラーリ、BARホンダを尻目に、製造者ポイントでは2位トヨタに14点の大差をつけた。
BAR最悪…3周でレース終わった
BARホンダ陣営の表情は一様に暗かった。3周目、バトンとデビッドソンのエンジンが相次いで火を噴き、あっという間にレースは終わった。開幕戦ではわざとチェッカーを受けず、今大会前のエンジン交換を選択したが、それが裏目に出た。中本エンジニアリング・ディレクターは「バトンは『車の感触は素晴らしい』と言っていたのに、エンジンが足を引っ張って申し訳ない」と責任を感じていた。
琢磨、熱引かず治療専念
高熱のためマレーシアGPを欠場した佐藤琢磨(28)は20日になっても熱が引かず、サーキット内の医療センターで治療を受けた。
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