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チュー中原のバスケを語ろう
2005/7/18
過去のコラム一覧を見る

NBAとサマーソニックが融合!!

<NBAジャパン・内野竜太氏:第2回>

 1人でも多くの人にNBAを知ってもらいたい、バスケットボールを楽しんでもらいたい。NBAジャパンはこの夏、体験型グラスルーツイベントを、国内最大級のロックフェスティバルとのタイアップイベントとして実施します。今後のNBAジャパンの活動を大きく変える祭典を企画、運営する内野竜太氏(29)が、熱い思いを中原雄氏(38)にぶつけました。【構成:飯田みさ代】

 中原 実は、僕はNBAのロゴマークがついたものを買ったことがなかったんですが、3年前に初めてファイナルの取材へ行った際、ニューヨークのNBAオフィスにも行って、思わずこのロゴ入りシャツを買ってしまいました。1階がいい感じのショップになってるんですよね。面白いグッズもたくさん置いてあるし、子供が遊べそうなスペースもありました。

内野氏
3on3の大会について熱く語る内野氏

 内野 店全体がコートのようになっていますからね。僕らにとっては、今まで買ったことのなかった人が買ってくれたことに大きな意味を感じます。というのも今後、僕らはそういったことに取り組んでいく方針だからです。

 中原 ファン層の拡大ですね。

 内野 具体的に言うと、現在3on3の大会(NBA 3on3 HEAT JAM´05)を全国で開催しています。これまでのイベントはどうしても首都圏開催が多かったので、全国展開は初めてです。全国に店舗をもつスポーツオーソリティーとパートナーシップを組んだ新しい試みで、名古屋、札幌、仙台、神奈川、大阪、広島、福岡、東京の8都市で実施します。すでに6月末から地方大会は始まっていて、その上位チームが8月13、14日に幕張メッセで行われる全国大会に出場することになります。

 中原 「NBA」の看板がついてのイベントでしょ。地方の方が、そういったイベントに飢えてますからね。首都圏よりも人が入るかもしれませんね。

 内野 8都市のうち3都市は、来年の世界選手権の開催地です。それもあって世界選手権組織委員会や、日本バスケットボール協会に後援、協力に入っていただきました。いい形で組めたと思っています。

 中原 世界選手権といったら、サッカーで言うW杯ですからね。大変なことですよ。次、いつ来るか分からないんですから。それにしては、まだ日本で開催されることを知らない人が多いですよね。この3on3の大会が、いい告知になるんじゃないかな。

音楽好きの若者にボールを触ってもらいたい

 内野 今回、僕らの主旨は、バスケットをする場所を提供し、みなさんに楽しんでもらうというもので、バスケットをそんなに知らない人、興味がなかった人もターゲットにしたいと思っているんです。また、バスケットは音楽やファッションと深く関係があり、切っても切れないものとも思っているので、全国大会の「NBAマッドネス」は、国内最大級のロックフェスティバル「サマーソニック」とのタイアップイベントとして開催することになりました。

 中原 えっ、そんなビッグイベントになるんですか。

 内野 毎年、東京と大阪で8万から10万の人が集まるイベントで、昨年は15万人以上が集まったらしいんですね。そこで、音楽好きの若者にバスケットボールをプレゼンテーションするんです。会場には、ハーフコート8面を用意する予定で、3on3の東京大会、全国大会をやるほかに、一般の人がシュートできたり、子供たちが遊べたりするコーナーを設けたり、とにかくボールにたくさん触れられる体験コーナーをつくるつもりです。あとは、そこでライブやったり、クラブっぽくやったり…。

 中原 じゃあ、僕が歌いましょか?

 内野 あっ、そういう展開もありましたね(笑い)。

 中原 いやいや冗談です。「おまえだれや」って、どつかれて終わりですわ。ハハハ。

内野氏
音楽ファンとの融合について話し合う内野氏(右)と中原氏

 内野 まあ、音楽ファン=バスケット好きとは限らないんですが、その層はバスケットにも興味を持ってくれるんじゃないかと期待しています。音楽とNBAの接点をつくってあげたら、家に帰ってからテレビを見てくれるかもしれないって。自分でシュートを打つ感覚とかを体験し、そこで単純に遊んでくれれば、興味も沸きやすいじゃないですか。例えば、女の子が展示してあるグッズやジャージーがかわいいとかで、好きになってくれるかもしれないし、きっかけは何でもいいんです。ただ、最後はコートに目を向けて、競技自体に注目してほしいとは願ってますが。

 中原 だいたいシュート打たなきゃ、3ポイントが入るすごさとか、ダンクのすごさとか分からないですもんね。

 内野 来てもらって、触ってもらって、やってもらって…といったイベントを、今までNBAジャパンとして提供してきていなかったんですね。ジャパンゲームを開催してきて、「これがNBAだよ、すごいでしょ」と本物を見せたけど、日本で身近なものになり切れていなかった。だってジャパンゲームでは、一般の人はシュート打てませんからね。

 中原 そうですね。やっぱり目線を下げる必要がありますね。

 内野 だから、このイベントの入場は無料です(サマーソニックの入場料は必要)。だれでも来られるものにしたいですし、来て欲しいので。

 中原 無料?! それはNBAだからできることですよ。

 内野 有料だと、僕らが意図するものと違ってしまいますからね。コンセプトは「だれでも気軽に」ですから。

 中原 この心意気を受けて、気軽にドンドン体験してほしいですね。

 内野 まずは、バスケットボールに興味をもたせる作業から始めないと、と思っています。マイケル・ジョーダンは知ってるけど、それ以外知らない人って多いじゃないですか。だから、NBAやバスケットから連想するものを増やしていきたいですね。そしてこれをきっかけに、バスケットが好きで頑張ろうと思ってくれる子供が増えたら、すごくうれしい。会議の連続で睡眠不足が続いてますが、そういう思いや夢があるからやってて楽しいんです。

 中原 日本のバスケットボール界にとっても、ありがたいことですね。例えば、日本代表の選手がその会場で、軽くプレーしてみせるのもいいんじゃないですかね。試合を見に行ったことのない人たちも、彼らのすごさを間近で見れば、驚きますよ。世界選手権にもつながると思います。

 内野 そして来年以降も継続していくことで、リピーターも増やしていきたい。中味は少しずつ変えていきながら、よりいいもの、楽しいものを提供していきたいと思っています。コートとゴールとボールがあれば、何をしてもバスケットになると思ってますから。

 中原 基本的にそこから始まってるわけですからね。

NBAを目指す選手のサポートも

内野氏
「バスケットの面白さを伝えていこう」と握手をする中原氏(左)と内野氏

 内野 また将来的には、NBAを目指す選手に対してのプログラムを作りたいとも思っています。それが強化なのか、留学なのか、クリニックなのか、具体的な段階ではありませんが。

 中原 僕らから言うと、コーチの留学もお願いしたいですね。コーチが選手以上に勉強しておかないと、育てていけないですから。

 内野 今、あらゆるスポーツで「世界」がキーワードになっているし、「世界に通用する」選手の評価が高い。ゴルフの宮里藍、中村俊輔らサッカーの欧州組、大リーグの松井秀喜やイチロー、またサッカーの日本代表もそうですね。

 中原 日本人は日本人が好きで彼らを見たいから、その競技自体にも注目する。

 内野 バスケットの世界最高峰がNBAであるならば、僕らはそこへ行くための手助けをしてあげたい。放映権料、マーチャンダイズ、スポンサーシップ、PR…といったビジネスの部分とは別に、NBAに行こうとしている若者を助ける事業というのを、今後の僕らの活動の1つにしていきたいと、社内で話し合っています。そういう風に、僕らの気持ちを変えてくれたのは、田臥君でした。もちろん、それをやったからNBAに行けるわけじゃないけど、その過程において手助けをすることが大切だと思っています。

 中原 過程がしっかりしてないと、結果は出ないですからね。

 内野 バスケットボールの普及、NBAの魅力を伝えることと選手の育成。僕と中原さんでは貢献の仕方は違うけど、基本的に同じ方向を向いていると思うんですよね。中原さんは直接、学生を指導し、テレビやウェブでバスケットの面白さを語っている。僕たちはNBAの組織からできることを、違う過程を経てやろうとしている。

 中原 山がここにあったら登り方は違うけど、頂上は一緒なんですよね。

 内野 当然、一朝一夕じゃできませんが、コツコツと1歩ずつ。

 中原 僕の中では、バスケットボール=NBAのような感じで、自分の人生から切っても切り離せない。僕も、自分にできることを1つずつやっていきたい。そういう志を忘れずに活動していくことが、生涯かけて自分がやりたいことなのかなあ、と思うようになっています。【第2回終了】



 ◆内野竜太(うちの・りゅうた)
 1975年8月29日生まれ。神奈川県出身。独協大出。11歳からバスケットを始め、大学時から出身高校のコーチに。在学中からアルバイトでNBAジャパンに入り、就職後もPR(広報)担当として今に至る。個人的にはアイザイア・トーマスのようなコートを支配するPGのファン。特技は料理、趣味はぶらり一人旅。独身。

チュー中原(本名・中原雄=なかはら・たけし)
 1966年11月10日生まれ。福岡県出身。専大ヘッドコーチ。89年に専大からいすゞ自動車入り。主将として4連覇を達成した後、99年に退社後、母校専大アシスタントコーチに就任、04年4月からヘッドコーチを務める。大学史上初の全日本大学選手権、関東リーグ戦を制すなど指導力に定評があり、テレビ解説でも活躍中。愛称は「チュー」。
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