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2005/9/26

まずは地元から盛り上げよう
どうやったらバスケットボール界は盛り上がるの? かつてWJBLでプレーし、現在は富士通レッドウェーブのアシスタントコーチとして同リーグにかかわる岡里明美さん(31)が、中原雄氏(38)と意見を交わしました。2人はともに川崎市在住で、現在指導しているチームも川崎にあるご近所同士。身近な所からバスケットを盛り上げようという意欲が感じられる対談となりました。今回は岡里コーチのシャンソン化粧品時代のチームメートであり中原氏の夫人でもある加藤貴子さん(34=元日本代表)も飛び入り参加しています。【構成:岩屋良明】
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| 自身の体験を交えてバスケットを盛り上げるにはどうしたらいいか語る岡里さん |
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岡里 フロンターレのユニホーム、なかなか似合ってますよ。
中原 アケさんに、フロンターレの知り合いの人に頼んで借りてきてもらったんだけど、なかなかええやろ。富士通レッドウェーブも川崎のチームやし、(中原氏の指導する)専大も川崎、僕もアケさんも川崎の住民で、今日の対談の場所も川崎。地元の川崎をアピールせんとな。そういえば貴子はフロンターレの試合を見に行ってきたんだよね。
加藤 (9月11日の)フロンターレが鹿島に勝った試合なんだけど、すごく面白かった。子供たちがフロンターレのユニホームを着てチームの情報を書いた新聞を配っていたり、抽選券を配っていたりする。思わず受け取っちゃうよね。選手の入場の時にはその新聞を広げるようにアナウンスがある。広げて頭の上にみんなが掲げると、スタジアム中が青に染まる。すごいんだよ。その上、掲げている新聞の裏にはスポンサーの広告があって見入ってしまう。うまいなーと思ったね。
バスケの知名度をあげるために
中原 サッカーは盛り上げ方がうまいよね。バスケットもサッカーの真似をしたほうがいいよ。いいものはドンドン取り入れた方がいい。フロンターレとの連携でレッドウェーブも何かやってるの?
岡里 7月に富士通レッドウェーブでバスケット教室をやったんです(注1)。フロンターレのサッカー教室も同じ場所でやりました。
中原 なかなかいいじゃない。で、どうだった。
岡里 サッカーは指導するためのノウハウがしっかりしているんですよね。クリニック用の専属コーチがいてキッチリと教えている。バスケは私と選手で教えたんですが、「やっぱり違うなー」と感じましたね。その上、川崎市の子がレッドウェーブを知らないんですよ。「レッドウェーブ知っている?」って聞いたら、パラパラとしか手が上がらなかった。「選手は全く知らない」と言われてショックだったですよ。川崎で活動しているのに、何とかしたいですよね。フロンターレはよく知られているのに。バスケは知名度が低いですよね。
中原 それは残念やなー。
岡里 シャンソン化粧品は静岡では結構、知名度が高かったんですよ。強かったこともありますが、WJBLの決勝やオールジャパンの決勝で私たちもテレビに映って、サインも求められたりしたり。
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| かつてのチームメートの加藤さん(左)も飛び入り参加し、バスケ談義は盛り上がりを見せる |
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加藤 そうだよね。静岡ではちょっとした有名人だったもんね。
岡里 そういった意味でも、もっと富士通レッドウェーブ、さらにはバスケットの知名度を上げたいですよね。
中原 サッカーはキッチリ地元を意識しているよね。バスケットは地元意識やフランチャイズに関する意識が低い。この際、フロンターレにおんぶに抱っこでいいから川崎という土地に根付くような活動をすべきだよ。僕が以前所属していたいすゞも川崎のチームだったから、いすゞとNKKと東芝の3チームで子供を対象としたバスケットボール教室を何回か神奈川で開いていた。サッカーのフロンターレ、女子バスケのレッドウェーブ、そして男子バスケはもちろん東芝もあるけど、専大も川崎にあるんだから、ぜひ一緒になって頻繁に活動したいね。子供の目標になるからね。
加藤 もちろんトップチームの選手に指導してもらうのに越したことはないけど、私たちが子供のころってサインしてもらうだけでもうれしかったじゃない。サインを書く人ってだけでスゴイと感じた。そういう意味で、クリニックはもちろんだけど、サイン会も頻繁にやったほうがいいよね。
中原 NBAの選手は「サンキュー」って言ってサインを返す。「俺にサインを求めてくれてありがとう」という感謝の気持ちだよね。
岡里 私たちや選手もそうすべきですよね。本来なら、試合終了後にサインを求めてきた人には全員にサインすべきなんですけど、遠隔地で試合をするとどうしても帰りの飛行機の時間が決まっていたりして断らなければいけない時もある。サインをする時間を確保するような運営も大切ですね。最近感じるんですけど、クリニックに行くとミニバスをやる子が少なくなってきているようなんです(加藤もうなずく)。もちろん少子化の影響もあるとは思うんですけど…。
マスコミの協力も必要
中原 実際、スポーツの人気ってテレビに映ってナンボってところもあると思う。女子バスケは去年、オリンピックに出たのに地上波では数試合しかやらなかった。今年のNHKの地上波での(日本の)バスケット中継も減っている。「日本が弱くて世界で勝てない」っていう現実は認めるけど、来年は日本で世界選手権をやるんだから、マスコミの人たちにももっと協力して欲しいよね。
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| 対談後に握手を交わす岡里さん(右)と中原氏 |
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加藤 オリンピックですら地上波での中継は本当に少なかったですね。私はアトランタ五輪に出たけど、もう9年も前のこと。子供たちから見れば遠い昔です。子供たちにオリンピックのよさやバスケのすごさを分かってもらうためにも、アテネ五輪の(地上波での)中継をもっとたくさんやって欲しかった。
岡里 選手のかっこよさや上手さは見なけりゃ分からない。そういう意味では会場にもドンドン足を運んで欲しいですね。特にレッドウェーブを(笑)。
加藤 今年はbjリーグも開幕する。いろいろともめてるみたいだけど、バスケファンからすればbjもあってスーパーリーグもあればバスケットを見る機会が増える。もちろんWJBLも見に行って、シャンソン化粧品を応援して欲しい(笑)。
中原 そうやね。協会が「bjには体育館を貸すな」とか「bjのやるクリニックには参加するな」とかいう通達を出したりしてるようやけど、レベルの低い、つまらん話や。子供たちがいろいろなバスケを見て、やってみたいと思うような環境を僕らで作っていきたいね。【第2回終了】
※注1 川崎市には「川崎市ホームタウンスポーツ推進パートナー制度」がある。これは川崎をスポーツを通じてアピールし、川崎に住む子供たちに感動やスポーツのすばらしさを伝えるために設けられたもの。現在、川崎をホームタウンとして活動するサッカーの川崎フロンターレ、WJBLの富士通レッドウェーブ、JBLの東芝ブレーブサンダース、東芝野球部、バレーのNECレッドロケッツ、トランポリンの中田大輔がパートナーとして認定されている。
◆岡里明美(おかざと・あけみ)
1974年7月24日生まれ。茨城県出身。名短大付高(現桜花学園高)3年時、高校総体で全国制覇。シャンソン化粧品時代は、96年アトランタ五輪出場。得意の3ポイントシュートで7位入賞に貢献。03年6月のアジア選手権を最後に現役を引退。今年4月からWJBLの富士通のアシスタントコーチに就任。178センチ。
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◆チュー中原(本名・中原雄=なかはら・たけし)
1966年11月10日生まれ。福岡県出身。専大ヘッドコーチ。89年に専大からいすゞ自動車入り。主将として4連覇を達成した後、99年に退社後、母校専大アシスタントコーチに就任、04年4月からヘッドコーチを務める。大学史上初の全日本大学選手権、関東リーグ戦を制すなど指導力に定評があり、テレビ解説でも活躍中。愛称は「チュー」。
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