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チュー中原のバスケを語ろう

2005/12/26
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ファッション、音楽とつながるスポーツカルチャー

FMヨコハマDJ・栗原治久氏:第2回

 FMヨコハマのDJ栗原治久氏(38)は、自ら音楽からスポーツへの橋渡し役となり、米国並みのスポーツカルチャーを確立させることを夢としています。中原雄氏(39)をはじめ、スポーツコメンテーターを番組に出演させているのも、米国流の放送スタイルを倣ってのこと。バスケットボールが文化として根付くよう、DJの立場から力を注いでいます。【構成:飯田みさ代】

 栗原 僕は基本的にアメリカ好きなんです。まあ、DJやってるぐらいだから、アメリカの音楽とカルチャーが好きで、必然的に4大プロスポーツも好きになるじゃないですか。米国のラジオ局では、朝の番組で昨日の大リーグがどうだったとか、NBAがどうだったとか、マイケル・ジョーダンのあのプレーがすごかったよな、という話をしてから音楽をかけるというのがスタイルなんですが、それを、日本でもどうしても作りたいですよね。

栗原氏
アメリカ式DJを夢見る栗原氏

 中原 いいよねえ。最初のトークがスポーツってのは。

 栗原 FMヨコハマという放送局は、ちょっとおしゃれな感じもするでしょ? 流行の洋楽をかけて、あの選手はすげーなー、って話をしながら音楽をかけるなんて格好いいじゃないですか。横浜出身である田臥勇太選手の話も出したいですしね。そんなものを作るためにも、中原さんの出演はありがたい。

 中原 いやあ、バスケットを電波に乗せてくれているだけでありがたいです。

 栗原 中原さんは適任なんですよ。元花形選手の解説者で冗談も言えるし。真面目に話していると思ったら、最後は必ずジョークで占めますからね(笑い)。

 中原 何か言わんとね。アメリカのコメンテーターの話を聞いてると、やっぱり、しゃれとか言ってるもんね。勉強になりますよ。

「喜」と「楽」で伝えたい

 栗原 人間って「喜」「怒」「哀」「楽」の4つの感情があるじゃないですか。放送中、ずっと「喜」と「楽」で話せたら、とても幸せなことなんです。その幸せな時間の中で、バスケットを伝えられたらいいなあとすごく思うんですよ。

 中原 今は「怒」や「哀」が多いもんねえ。

 栗原 これまで、スポーツを「喜」と「楽」で伝える文化は日本にはなかったと思うんです。どうしても批判だったり、反省だったり、マイナス要素を伝えるのが日本の古き伝統だったんですよね。それを覆したいじゃないですか。

中原氏
昔は相当もてた?中原氏

 中原 確かに。「〜だからダメなんだ」的な解説が主流でしたよね。

 栗原 人間、「喜」と「楽」を聞いていたら、次は絶対会場へ行きたくなるもんなんです。会場へ行ったら、楽しんで見るようになると思うんですよ。

 中原 日本人が会場での楽しみ方を知らないというのは、批判的なことばかり耳にしているから、というのも1つあるのかもな。

 栗原 僕は、中原さんにぜひとも新風になってもらって、バスケットだけでなく、日本のスポーツ中継、スポーツの見方を変えて欲しいと思ってるんです。

 中原 見方は変えたいよね。

 栗原 僕が学生のとき、野球部やサッカー部より、バスケ部の方がもてたじゃないですか? 何で中学、高校ではもてたのに、大人になるとダメなのか。

 中原 いやあ、そうだよね。いつから変わんのやろ。

 栗原 やっぱ受け皿ですよ。

 中原 受け皿か〜。

 栗原 受け皿さえ整えば、僕だったら音響やDJで、中原さんだったら解説でサポートしていけるでしょ。僕はそのスポーツカルチャーに魅力を感じていて、橋渡し役をやりたいんです。

 中原 スポーツカルチャーを確立させたいよね。

 栗原 例えば、FMで流行の洋楽をかけて、バスケットの話をする。そのバスケット選手は普段はどんなファッションをしてるか、どんな音楽が好きかと話す。そうすると、バスケ好きはそのファッションや音楽に、音楽ファンはバスケ選手に興味を持つようになり、輪が広がるわけですよ。そういったミックスカルチャー。一体感を伝えたいんですよね。僕はカルチャーから入った人間だから特にそう思うんです。

 中原 そうそう。好きな選手が身に付けている物、私生活は気になるもんだよ。

 栗原 そういうことをトータルで伝えれば、相乗効果になるんですよ。ファッションもはやるし、バスケも人気が出る。中原さんはスポーツからカルチャーへ、僕はカルチャーからスポーツへの変換の役割、中継ぎ役になりたいですね。

中原氏と栗原氏
「今後もバスケット普及に力を尽くす」と語る栗原氏と中原氏

 中原 そうなれば、素晴らしいことだよね。

キーワードは「地域密着」

 栗原 そういった意味でも、これからの時代はスポーツも、ラジオ局も、DJも、キーワードは「地域密着」なんです。

 中原 スパイク・リー監督映画「ドゥー・ザ・ライト・シング」でサミュエル・L・ジャクソン扮するDJが、ラジオから「起きろ!」と町の人々に呼びかけるような感覚ね。

 栗原 しゃべりの中で「あの3丁目の角に住んでいたあの子が歌手になったよ」とか、DJがラジオで話すという世界観。

 中原 「昔から歌はうまかったけどなあ」って感じのね。

 栗原 そうそう、そういったごく身近な話題が大切になってくると思うんです。企業はバスケットを文化として支えるため、もうけた金を地元に還元するわけよ。チームをサポートするのはもちろん、クリニックなんかも開いてね。地元チームには、自分たちの町が生んだスター選手がいれば、みんな応援に来るじゃない? 会場では、赤じゅうたんじゃないけど駐車場からアリーナまでの通路をファンに公開して、選手がどんな格好をしているのか、何を着ているのかを見せてあげる。スポーツ、ファッション、音楽とつながっていくミックスカルチャーだと思うんですよ。

 中原 NBA選手の格好はみんな真似するわけだし、あこがれの選手の着てるものは真似するよ。

 栗原 企業スポーツが限界になり、「地域密着」が声高に叫ばれるようになったのってここ5年ぐらいじゃないですか? そういう意味で考えると、サッカーの100年構想ってすごいものだと思うんですよ。

 中原 サッカーはこの先も、潰れませんよ。

 栗原 地域密着が確立すれば、まさしく文化になると思うんですよ。また、地方分権の世の中になってきて、スポーツだけでなく、政治も経済も地域密着が確立したとき、その輪の中に「バスケットボール」が入っていてほしいと思うんですよ。

 中原 輪の中にあるバスケットか。輪の中に入れてもらえるようなものでないとな。

 ※この連載は今回が最終回です。ご愛読ありがとうございました。



◆栗原誠(くりはら・はるひさ)
 1967年(昭和42年)10月24日生まれ。東京都江戸川区出身。立大卒業後、いすゞ自動車に入社。DJ業を本職とするべくFMヨコハマのコンテストに応募、93年1月番組デビュー。現在、同局の「モーニングステップス」のパーソナリティーのほか、横浜ベイスターズのオフィシャル・スタジアムDJやTVK(テレビ神奈川)の音楽番組選曲ディレクターも務める。ラジオ歴11年、クラブDJ歴19年の独身。http://djkurihara.seesaa.net/

チュー中原(本名・中原雄=なかはら・たけし)
 1966年11月10日生まれ。福岡県出身。専大ヘッドコーチ。89年に専大からいすゞ自動車入り。主将として4連覇を達成した後、99年に退社後、母校専大アシスタントコーチに就任、04年4月からヘッドコーチを務める。大学史上初の全日本大学選手権、関東リーグ戦を制すなど指導力に定評があり、テレビ解説でも活躍中。愛称は「チュー」。
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