10秒差…10区3校シード権争い/箱根駅伝
<箱根駅伝>◇3日◇復路◇神奈川・箱根町芦ノ湖〜東京・大手町(5区間109・9キロ)
わずか10秒差で明暗が分かれた。来年のシード最後の2枠は、9位日体大と10位東洋大が獲得した。10区で城西大に追いつかれて三つどもえになったが、20キロすぎに2校がスパートをかけて突き放した。初シードを目指した城西大は高岡寛典(3年)が区間賞の走りで粘ったが、あと1歩及ばなかった。
東洋大の渡辺史侑主将(4年)は、驚きのあまり目を見開いた。ゴール後に聞かされ、初めて知った「10位」という結果。思わず後ろを振り返ると、すぐそこには城西大の高岡の姿があった。「シード権争いはしていると思っていたけど、8、9位ぐらいだと思っていた。ぞっとした」。残り2枠を最終区で3校が競り合う近年まれに見るデッドヒートだった。
一瞬の判断が勝負を分けた。残り3キロを切った20・4キロ。それまで3人の先頭に立ち、向かい風をもろに受けていた高岡が後ろに下がった。「監督から勝負に徹しろという声が聞こえて、足をためようと思って下がった」。13位でタスキを受けてから、ハイペースで2校に追いついた。勝負どころまではまだ距離がある。そう判断した。
だが、この動作を渡辺と日体大の熊本剛(4年)は見逃さなかった。入れ違うようにスパートをかけた。あわてもがく高岡を尻目に、差はみるみる広がった。城西大の平塚監督も「経験の差が出た」と悔しがった。必死で追いかけたが、熊本と渡辺が相次いでゴール。高岡との差はわずか10秒。距離にして約50メートル差だった。
2年ぶりにシード権を獲得した東洋大の川嶋監督は「こんなシード権はうれしくもないです。こんな位置だったら、落ちて一からやり直した方が良かった」と厳しかった。7区までは優勝した亜大と競り合っていただけに、シード権確保で満足している選手たちを叱咤(しった)した。一方で初のシード権取りに失敗した平塚監督は「1人1秒の差で悔しいが、選手はよくやった」とねぎらった。【今村健人】
[2006/1/4/08:47 紙面から]
写真=ゴール前で激しいせめぎあいを見せた9位の日体大アンカー熊本(左)と10位の東洋大アンカー渡辺。後方はシード権を逃した11位の城西大・高岡(撮影・浅見桂子)
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