早大首藤ド派手60m独走トライ/ラグビー
<ラグビー:全国大学選手権>◇8日◇国立◇決勝
早大の弾丸WTB首藤甲子郎(3年)が、ど派手な2トライで、31年ぶりの大学選手権連覇の立役者となった。前半24分に60メートルを独走してチーム最初のトライを決めた。20−0の大差で折り返した後半の5分には、得意のハンドオフでDFを振り切って2本目を決め、相手の息の根を止めた。「まだまだ通過点。これからも勝ち続けます」と先発15人中9人を占めた下級生の代表として、早くも来季の3連覇を誓った。
突き抜けた。163センチの小さな体を躍らせて、首藤が走った。自陣ゴール前からのターンオーバーのボールが、延べ6人を経由して自分の胸に収まった。迫る関東学院FB有賀を軽快なステップで交わすと、もう誰もいなかった。「(有賀は)外が強いので、1発目は必ず内に切ろうと決めていた」。日々の努力と全体の組織力、そして事前の研究が、芸術的なトライとなって結実した。
2本目のトライは個人技で決めた。左サイドでボールを受けるとすぐに左手に持ち替えた。痛めている右手首を伸ばし、追いすがる相手を突き倒した。そのまま、飛び込んだ。「ハンドオフは得意なんですけど、ケガもあって、封印してきたんです。でも今日は何が何でも決めたかった」。ここぞという大舞台で、見事に必殺技を繰り出した。
お世話になった4年生にささげる優勝だった。自他共に認める「史上最強軍団」は、BK7人中6人が2、3年生。実力主義のチームでも、常に先輩に代わって出場する重圧は大きかった。「4年生のためにも、絶対に勝ちたかった」と声を詰まらせた。
高校選手権で準優勝した母校桐蔭学園の後輩の頑張りもうれしかった。桐蔭のSH桜井主将は、自分と同じ大分のラグビースクール出身で4月に早大にやってくる。「決勝まで行ったことがすごい。後輩の分もという気持ちもありました。来年も優勝します」と笑った。集まり散じて、人は替われど、絶対の信頼関係で結ばれた早大の黄金時代は続いていく。【大石健司】
[2006/1/9/09:04 紙面から]
写真=前半24分、早大WTB首藤(左)はFB有賀のタックルをかわし独走トライ(撮影・中村誠慈)
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