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  スポーツNOW(3月26日付)
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若さ消えた女子水泳、いまだ水面下

 もうすぐ競泳シーズンの到来だ。世界選手権(7月、バルセロナ)の代表選考を兼ねた日本選手権が4月22日、東京・辰巳水泳場で開幕する。これまで「女高男低」だった競泳界だが、昨年は男子が200メートル平泳ぎで北島康介(20=東京SC)が世界記録を更新するなど、躍進。逆に女子は低迷ぶりが目立った。シドニー五輪組が復帰する今季、女子の巻き返しがあるのか?

 現在“世界標準”突破者男子6種目延べ8人に対し、女子はわずか2人だけ? 昨年8月パンパシフィック選手権(横浜)の成績を、単純に今季の国際大会派遣標準1に照らすと突破者の数は明らかに「男高女低」だ。昨秋200メートル平泳ぎで世界記録を更新した北島は好調男子の象徴。千葉すず、青山綾里が主力のアトランタ、女子がメダル4個を獲得したシドニーとは勢力図が入れ替わった。

 なぜか? 上野広治ヘッドコーチは「田中雅美、中村真衣らの次となるジュニア世代の育成に失敗した。シドニーのころから兆候は出始めていた」と話す。96年アトランタ五輪は平均年齢18歳で臨んだ。それが00年シドニーでは平均20・25歳に上昇。主力に変化がなかったことを表している。アトランタ世代が成長しメダル4個を獲得したが、アテネにつながる若手の育成を怠っていた。

 一方の男子は当時、高校生の北島、三木らをシドニーに連れていった。メダルには絡めなかったが、世代交代は進み、その経験が「今」に生きている。この現象は、女子にとってもいい教科書だ。青木剛競泳委員長は「女子はある意味で上が強すぎて、若い芽が出てこなくなってしまっていた。要因は技術でなく精神面。皆、あきらめてしまっていたんです。だからこそ、今年はチャンスだと呼びかけています」。

 布石は打った。昨年パンパシフィック選手権の女子代表は13人中8人を10代の選手で固めた。低迷する女子の中で17歳の寺川が200メートル背泳ぎで銀メダルを獲得したのは、明るい材料だった。シドニー五輪ではお家芸だった背泳ぎ、平泳ぎは五輪後の空洞化が特に激しい。寺川の躍進は、他の若手にも勇気を与えたはずだ。

 世界選手権へのハードルは低くない。日本選手権の決勝で派遣標準1、2を突破し、さらに2位以内でなければ、代表に選出しないという。日本選手権には田中雅美や中村真衣も満を持して帰ってくる。彼女たちの経験や実績は日本の財産であり、競泳女子復活の切り札だ。そして、復帰組を脅かす存在が出てきた時、競泳ニッポンは真の復活ロードを歩き始める。【牧野真治】


 

◆長崎宏子の目

 世代交代がスムーズに進まない要因には、ここ数年で女子の選手寿命が急激に延びたことが挙げられます。特に大学水泳界が進歩しました。かつて、日本の競泳女子のピークは10代と考えられていました。しかし、欧米では大学生や社会人のスイマーの存在は当たり前で、そのことに日本も気付いたのです。

 シドニーで活躍した田中さん、中村さん、源さんたちが所属した中大をはじめ、メンタル面、バランスのとれた筋力トレ、水中を離れた陸上でのトレーニングが盛んになり、20代でも記録が伸びることが証明されました。同世代にライバルが大勢いたことも、刺激になったでしょう。

 そのノウハウが、もともと大学生ぐらいで選手のピークが訪れる男子に適用されたことが、今の競泳男子の成長につながっています。少子化と選手寿命が延びたことが、女子の世代交代の妨げのひとつと考えられます。(84年ロサンゼルス五輪女子200メートル平泳ぎ4位)


 

◆世界選手権の選考

 日本水泳連盟では国際大会派遣標準記録(1、2があり、1の方がレベルが高く、予選突破付近の記録とされる)を設定。日本選手権決勝で同標準記録を突破し、2位以内に入れば選考される。世界選手権は各種目とも各国2人まで出場資格が与えられる。01年世界選手権は地元福岡開催だったため、全種目にエントリー、39選手が出場した。今回は狭き門になる。


 

◆アトランタ五輪

 自由形の千葉すずをリーダーに女子14人中10人が10代の選手。平泳ぎの岩崎恭子、バタフライの青山綾里、鹿島瞳はともに金メダル候補。200メートル背泳ぎの中尾美樹も世界ランク1位で臨んだが、メダルなしに終わった。100メートル背泳ぎの中村、100メートルバタフライの鹿島の4位が最高。男子は200メートル背泳ぎの糸井統の5位が最高。


 

◆シドニー五輪

 アトランタ経験者を中心に女子が活躍。100メートル背泳ぎで中村が、400メートル個人メドレーで田島が銀メダル。200メートル背泳ぎでは中尾が銅、400メートルメドレーリレーでも銅メダルと合計4個のメダルを獲得した。男子では100メートル平泳ぎの北島の4位が最高だった。

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