ソレンスタム「歴史的挑戦」男に勝ちにいく!

男子ツアーに挑戦するソレンスタム
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米ゴルフ界で歴史的な挑戦が行われる。女子ゴルフで無敵のアニカ・ソレンスタム(32=スウェーデン)が5月22日開幕の米男子ツアー、バンク・オブ・アメリカ・コロニアルに出場する。女子選手の男子ツアー出場は、32年ロサンゼルス夏季五輪の陸上で2つの金メダルを獲得した「伝説の万能アスリート」ベーブ・ザハリアス(米国)が45年のロサンゼルス・オープンに出場して以来、58年ぶりの快挙だ。女王の勝算はあるのだろうか?
ソレンスタムは女子ツアーでは無敵と言っていい。昨季は歴代2位となる年間11勝を挙げ、賞金獲得総額は史上最高の286万3904ドル(約3億4367万円)に達し、2年連続の賞金女王に輝いた。3年前の賞金女王カリー・ウエブが「彼女はもう私たちの1段階上のランクに行ってしまった」とため息をつくほど圧倒的な強さだ。
そんな女王が今季男子ツアーに挑戦する。「優勝は無理だけど予選通過する能力がある。トップ20だってある」と言うのは通算71勝の帝王ジャック・ニクラウスだ。ニクラウスが高く評価する実力、その最大の武器は「正確さ」だ。
「私の強みは数多くフェアウエーをとらえ、グリーンに乗せること。これで戦える」。タイガー・ウッズの「彼女の挑戦が失敗すれば女子ゴルフにマイナス」というコメントにソレンスタムはこう反論した。ショットの正確さを示すフェアウエーキープ率は80・3%、パーオン率は79・7%(ともに昨年米女子ツアー平均)。条件が違い、単純比較はできないが男子ツアーでもトップ級にランクされる数字だ。この2つが68・70の驚異的平均スコアを導き出す。
問題は飛距離。昨季のドライバー平均265・6ヤードは、男子平均を約14ヤード下回る。さらに女子ツアーに比べ、各ホールの距離は約10%増しになる。「ゴルフは距離だけじゃない。彼女のコントロールされたショットは男子の中に入っても見劣りしない」。日本女子プロゴルフ協会・樋口久子会長はこうみる。飛距離が劣る分、第2打以降は当然先に打つ場面が多くなる。「一緒に回る男子より先にグリーンに乗せれば逆に相当のプレッシャーをかけられる」と続ける。樋口会長は男子プロと練習ラウンドした経験もあるが、こんな場面を繰り返し「変に力が入っちゃうから、もう一緒に回りたくないよ…」とぼやかれたことがあるという。
バンク・オブ・アメリカ・コロニアルの会場コロニアルCCは7080ヤードと比較的短く、フェアウエーも狭い。ソレンスタムは招待された3試合から自分の持ち味を最も発揮できるコースを選んだ。さらに今季女子ツアー開幕戦を欠場し、このコースで97年同大会覇者デビッド・フロストと練習ラウンドもした。5月8日からのニチレイ杯ワールドレディースで日本のファンに勇姿を見せた後、女王は本気で男に勝ちにいく。
◆アニカ・ソレンスタム 1970年10月9日、スウェーデン・ストックホルム生まれ。12歳でゴルフを始め、米アリゾナ大時代の91年に全米学生優勝。92年の世界アマチュア選手権で優勝後、93年プロ転向し、欧州女子ツアーで新人王に。94年には米ツアーでの新人賞を獲得。95年初の賞金女王に輝いた。97、98、01、02年賞金女王。01年3月スタンダード・レジスター・ピン2日目に18ホール「59」の世界新記録をマーク。昨季11勝は34年ぶりの年10勝以上の快挙。ツアー通算43勝(メジャー4勝)。168センチ。既婚。妹シャーロッタ・ソレンスタムもプロゴルファーで米女子ツアーに参戦する。
ニチレイ杯でバーチャルCG設置
ニチレイ杯ワールドレディースを中継する日本テレビは、ソレンスタム出場に合わせ、東京よみうりCCの17番ロングにティーショットの飛距離と弾道を測る「バーチャルCG」を設置することになった。22日、同CCで発表した。今季、コンスタントに約270ヤードのドライバーショットを打つソレンスタムと、ほかの選手のショットを比べるという。放送は大会3日目の5月10日、最終日の同11日で、ソレンスタムのインタビューを含めた特集も企画している。なお同大会にはトップアマの宮里藍(17=東北高)も出場する。
史上初の男子ツアー挑戦の結果は?
45年ロサンゼルス・オープン(現ニッサン・オープン)に出場したベーブ・ザハリアス(当時31)は、大会前日に男子約200人が参加する「予選会」に出場し、90人の本戦出場権を獲得。本大会(パー71)では76、81で2日間を回ったが3日目に79をたたき、最終日の決勝ラウンドに進めなかった。この大会はサム・スニードが優勝している。
男子へ挑戦した女性たち
◆テニス ビリージーン・キング夫人(米国)が73年、ボビー・リッグス氏(54)とエキシビションで対戦。39年ウインブルドン、41年全米を制していた同氏は引退していたが、キング夫人が3セット連取で完勝した。93年の20年ぶり再戦もキング夫人が勝利。またセリーナ・ウィリアムズ(米国)が99年、全米オープンを制した後、男子ツアー出場を希望したがプロテニス協会(ATP)は「出場資格はない」として拒否した。
◆アイスホッケー マノン・ローメ(カナダ)が92年、NHLタンパベイ・ライトニングに指名され、GKとしてプレシーズン戦に出場。2ゴールを許したが現役カナダ代表らのシュートを防いだ。女子が正式種目に採用された98年長野五輪の代表に選ばれ、銀メダルを獲得した。
◆F1 レラ・ロンバルディ(イタリア)が75年のスペインGPに出場、入賞した。その後「レラ・モデル」の車が生産されるほどの人気になった。
◆米野球独立リーグ 南カリフォルニア・カレッジで米大学通算4勝12敗の成績を残したアイラ・ボーダーズが97年、セントポール・セインツと契約。5月に独立リーグで史上初の女子プロ選手としてデビュー。翌98年7月に初勝利を挙げた。
| ソレンスタムと男子の比較 |
| 部門 |
ソレンスタム |
男子平均 |
ウッズ |
女子順位 |
男子順位 |
ウッズ順位 |
| ドライバー飛距離 |
265.6ヤード |
279.8ヤード |
293.3ヤード |
4 |
195 |
6 |
| フェアウエーキープ率 |
80.3% |
67.9% |
67.5% |
5 |
2 |
107 |
| パーオン率 |
79.7% |
65.8% |
74.0% |
1 |
1 |
1 |
| 平均スコア |
68.70 |
71.18 |
68.56 |
1 |
2 |
1 |
| 【注】「男子順位」はソレンスタムのデータを男子に置き換えた順位 |
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