芝田山部屋、田植えで力士教育

力士が田んぼをならす中、田植え機を操作して田植えをする芝田山親方
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芝田山部屋が米づくりで、心も鍛える。芝田山親方(40=元横綱大乃国)と力士らが26日、新潟県・十日町の後援者から提供された1000坪の田んぼで田植えを行った。一から米づくりを体験することで、食べ物を粗末にしないことを学ばせるなど、体づくりとともに「人間教育」も目的とする。田んぼからは秋には約1200キロの収穫が予想されるが、若い部屋は心技体が充実した関取第1号誕生を目指す。
田植え機を操作する師匠の横で弟子が田んぼをならす。師弟とも額には玉のような汗が流れる。4月末に、芝田山親方、力士らがまいたコシヒカリのもみが、夏場所中に苗に成長。千秋楽の翌26日に早速、田植えした。「みんな疲れただろう。1粒のお米ができるまでは、今日の何百倍の手間がかかるんだぞ。食べ物を粗末にしないで、いい体をつくるんだよ」。師匠の声に、初体験の弟子たちは納得の表情で大きくうなずいた。
昨年まで部屋の新潟県十日町後援会・高沢会長から毎年約500キロの米を提供されていた。しかし、今年から「米づくりの経験が、社会教育、相撲にも生きれば」と自力で耕すことを決めた。自ら体験することで得るもの、感じることがあるはず。田んぼが新潟にあり、今後の作業は提供者の斉木さんに頼むことになる。雑草取りや稲刈りの時にはまた部屋全員で同地を訪れる予定だ。
新しい器具に理論の導入など、角界も近代化が進む。各部屋でも結果を求めて技や体に重点を置いた指導を優先させる傾向が強い。芝田山親方は「地位に見合った人徳、品格がないと力士としては一人前とはいえない」と話す。心の教育に着目した指導方針は、新たな試みともいえる。
部屋を興して4年。まだ関取は育っていない。東三段目6枚目のモンゴル出身、18歳の大翔地が最高位の若い部屋でもある。「うちの部屋にはモンゴルからか、まだ10代の力士しかいない。若いときから、しっかり心の教育をすることが3年先、10年先につながると信じている」。
| 芝田山部屋所属力士 |
| 力士名 |
年齢 |
夏場所番付 |
成績 |
| 大翔地 |
18 |
東三段目6 |
3−4 |
| 大勇地 |
20 |
西三段目41 |
4−3 |
| 大石川 |
17 |
東序二段90 |
1−6 |
| 大剛毅 |
16 |
西序二段99 |
4−3 |
| 磯ノ国 |
15 |
東序ノ口19 |
2−5 |
| 都国 |
19 |
前相撲 |
3−2 |
| 啓輔 |
20 |
序二段格 |
呼び出し |
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芝田山親方を育てた、放駒親方は「頭のいい人。若いときから1つを1回教えただけで、教えていない3つを自分で考えて実践していた」と評す。芝田山親方の挑戦は、始まったばかり。秋には20俵(1200キロ)以上の収穫が予想される。毎月約100キロの米を消費し、ちょうど1年分の量にあたるが、親方はその先のもっと大きな「収穫」を期待している。【盧載鎭】
大翔地の話 モンゴルには田んぼがないので、米がどうやってできるのか知らなかった。これからご飯を食べるときはいろんな人の努力に感謝しながら食べます。
啓輔の話 親方からいつも「稲穂は実るほど頭が垂れる」と言われたけど、再認識できた。収穫が楽しみです。これからも謙虚な人間になるように部屋のみんなと話してやっていきたい。
◆芝田山部屋 62代横綱大乃国が91年名古屋場所で引退後、99年6月1日に放駒部屋から独立して東京・杉並区高井戸に部屋を興した。地下1階、地上3階建てビルの地下にけいこ場がある。現在は力士6人、呼び出し1人が所属している。
◆芝田山康(しばたやま・やすし) 本名・青木康。62代横綱大乃国。1962年(昭和37年)10月9日、北海道・芽室町生まれ。78年春場所初土俵。82年春場所新十両に昇進し、翌年春場所新入幕。85年名古屋場所後に大関に昇進し、87年秋場所後、横綱昇進した。91年名古屋場所中に引退。426勝228敗105休。優勝2回、殊勲賞5回、敢闘賞2回。
相撲部屋の新たな試み
◆学業両立 中村部屋では、今春から日本航空高通信制普通科(山梨・双葉町)に三段目以下の力士12人と行司1人が入学。パソコンを利用し、リポート提出などで単位を取得。年間20日は都内でのテストなどのスクーリングに参加し、卒業資格獲得を目指す。
◆社会奉仕 伊勢ノ海部屋は、防犯のため、部屋のある東京・江戸川区春江町周辺を夜間パトロールする。今年2月に結成し、親方自ら巡回も。特注サイズのたすきをかけ、拍子木を鳴らし町内約2キロを回る。同区の小松署管内はひったくりが多く、地域への恩返しの意味を込めて、同親方が考えた。
◆健康管理 時津風部屋は朝げいこ前にパン、牛乳、野菜ジュース、ヨーグルトなどの朝食を用意する。相撲部屋は一般的に1日2食でけいこ後の昼食と夕食が基本だが、健康管理への意識を高くさせ、バランスのとれた体づくりが目的。
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