尚子勝利の裏ワザ!ハイテク武装“ロケット”サングラス

00年メガネベストドレッサー賞でシドニー五輪と同じサングラスを手にする高橋尚子
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米国で高地合宿に入った高橋尚子(31=スカイネットアジア航空)が、11月の東京国際女子マラソンに向けて「必勝サングラス」を準備することが1日、分かった。米大リーグで活躍中のイチロー、松井秀喜らも愛用する米オークリー社製で、さまざまな工夫が施される「尚子特製モデル」。すでに製作準備が始まり、五輪選考レース、来年のアテネ五輪へ態勢を整える。
高橋は6月23日、約4カ月間の高地トレのため米国へ飛び立った。同時にイチロー、松井も愛用する米オークリー社が、新サングラスの製作準備を進めていることが分かった。約25グラムの超軽量タイプには、最新技術を駆使した勝つための「裏ワザ」が凝縮される。
関係者によれば、製作にあたって真っ先に考慮されるのが目線をレンズで覆い隠すこと。駆け引きが重要なマラソンで、各ランナーは相手の表情を読み取りながらスピードの強弱、スパートのタイミングを計る。高橋にとってサングラスは単なる日よけではない。走行中自分の表情は一切見せず、逆にレンズ奥の瞳で一瞬の勝機を見いだすための大切な武器なのだ。
高橋はこれまで、国内でサングラスを着用したことはなかった。だが、東京国際は約3年半ぶりの国内レースで、しかも五輪選考大会。当然、意気込みが違う。佐倉アスリートクラブの小出代表は「サングラスなしでは道路が白く見えて、目が疲れちゃうんだよ。雨が降らない限り使うと思うよ」。レンズの色は目に優しい青を希望。最終的には8月にスタッフが渡米し、11月の東京の気候、フレームの型などを最終確認する方針。ライバル勢には「神秘のブルー」となりそうだ。
高橋といえばスパートの合図にも利用した、シドニー五輪でのサングラスがあまりに有名。発汗するほど安定性が増す魔法のゴム、落としても傷がつかないレンズなど、117もの特許が凝縮された特製品だった。今回はさらにパワーアップする。ロケットや戦闘機にも使用される素材、軽くて頑丈なマグネシウム合金が使用される予定。視界、視野も裸眼とまったく変わらない。通常のものなら、42キロを走り切れば鼻や耳が摩擦や重さで痛んだり傷ついたりするが、そんな心配も一切ないという。
高橋がサングラスを使用するにはもう1つ、大きな理由がある。「サングラスを外した時、まぶしい日差しを入れることで、眠っていた細胞をもう1度覚せいさせるんです」。この発想には製作者サイドも驚かされたという。高橋の感覚を科学的に実証するデータはないが、サングラスを外すことで肉体に新たなスイッチが入る。11月東京、高橋が素顔を見せたとき、それは勝利を確信し、アテネにつながるゴールへピッチを上げる瞬間になる。【牧野真治】
◆シドニー五輪女子マラソンVTR 中盤から高橋とシモンの一騎打ちの展開になった。35キロ付近で高橋は突然、サングラスを外すと沿道の父良明さんに向け投げつけた。それがラストスパートの合図だった。シモンを突き放し、悲願の金メダル獲得。サングラスを投げたシーンは世界中で報じられ、エピソードにもなった。高橋は00年の日本メガネベストドレッサー賞のスポーツ部門で受賞した。
いろいろあります!女子マラソン選手の必殺アイテム集
◆ハイソックス 女子の世界最高記録保持者ポーラ・ラドクリフ(英国)はハイソックスを着用している。肌色のため目立たないが、ふくらはぎの筋肉を適度に圧迫させるマッサージ効果、筋肉のブレを防ぐのが狙いだ。
◆ハンドウオーマー 弘山晴美(資生堂)は00年1月の大阪国際女子から手袋がひじの上まで伸びたハンドウオーマーを着用。寒さ対策の一環で暑くなった場合にはすぐに外せるのも特長だ。メーカーが弘山用に作った特注もの。
◆魔法瓶 世界選手権(8月、パリ)代表の野口みずき(グローバリー)は暑さ対策として魔法瓶タイプの給水ボトルを準備している。周囲の気温が上昇しても、ボトルの中は、約6度に保たれる。真夏のパリで威力を発揮するはずだ。
◆スパイク 世界選手権代表の松岡理恵(天満屋)は兵庫・洲本実高時代から左足首にねんざ癖があった。左のスパイクの土踏まず部分のクッションを右よりも大きくしてショックを和らげ、同時に左右のバランスを保っている。
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