柔道鈴木に運命の審判 28日無差別級代表決定

4月29日の全日本柔道選手権で井上康生(右)とガッチリ組み合う鈴木桂治
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将来の柔道界を背負って立つ鈴木桂治(23=平成管財)が運命の日を待っている。世界選手権(9月、大阪)代表は4月に8階級中7階級が決定したが、無差別級だけは鈴木と井上康生(25=綜合警備保障)の2人が代表候補という形で保留され、28日に開かれる強化委員会で正式決定する。選考試合の全日本選抜体重別選手権で井上を破りながら100キロ級代表を譲り、失意のどん底からはい上がった鈴木が、現在の心境を語った。
運命の審判を待つ鈴木の表情は意外に晴れやかだった。無差別級代表が決まる強化委員会を1週間後に控えた21日、母校の道場で汗を流した。「やることはやった。欧州で満足いくけいこができた。代表になれてもなれなくても、自分として自信が持てた。選ばれれば最高だけど、あとは結果を待つだけです」。中学から大学まで10年間の寮生活で自然に身に着いた礼儀正しさで、待つ身のつらさを押し隠した。
笑顔が戻るまで、悩める日々が続いた。4月6日の全日本選抜体重別選手権で、王者井上から出足払いで効果を奪い、優勝した。世界選手権の最終選考を兼ねていた。だが強化委員会は2時間に及ぶ議論の末、敗れた井上を100キロ級代表に決定した。過去の実績と2月のドイツ国際優勝が重視されたためだった。常に前向きな鈴木も、さすがにへこんだ。「今でも納得はしていない。仕方がない、と思ったら自分の負け。康生さんの力は認めている。だけど自分の強さが認められないのが悔しかった」。けいこの虫が1週間は何もする気が起こらなかった。
| ◆鈴木の井上戦成績◆ |
| 年
| 大会名
| 勝敗
| 内容
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| 99 |
全日本学生柔道都予選 |
△ |
引き分け |
| 〃 |
全日本学生体重別団体 |
〇 |
効果 |
| 00 |
全日本選抜体重別 |
● |
横四方固め |
| 01 |
全日本選手権 |
● |
技あり |
| 03 |
全日本選抜体重別 |
〇 |
効果 |
| 〃 |
全日本選手権 |
● |
内また |
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失意のどん底からはい上がるのに、4月29日の全日本選手権までは期間が短すぎた。何とかモチベーションを高め、決勝進出して井上と再対決を果たしたが、1本負けを喫した。「4月は本当にきつかった」。6月から7月中旬にかけて実施された全日本の欧州合宿がアピールできる最後の場になった。
すでに代表が決まっていた7人とは気持ちの入り方が違っていた。「自分だけがギリギリの線にいて臨んだ合宿だから、正直、きつかった。常にいいところを見せないといけないから。でも、そういう気持ちがあったから、自分を追い込めた」。無差別を意識し、自分より大きな相手を選んだ。コーチ陣の目の前で外国人選手に投げられるわけにはいかなかった。ただ1人がけっぷちに追い詰められた状態で、欧州重量級相手の戦法を体に染み込ませていった。
斉藤仁ヘッドコーチはそんな愛弟子の姿をずっと見てきた。「桂治は世界に出しても十分に通用する。2人のどちらを出しても恥ずかしい試合はしない。あとは強化委員会にすべてまかせる」とゲタを預けた。鈴木と同じ国士舘出身の斉藤ヘッドは立場上、強く推せない。急成長の鈴木か、安定した井上か。どちらに決まっても強化委員会には明快な説明が求められる。【岡山俊明】
◆井上は2階級へ「準備着々」 井上は2階級出場がかかる。「準備はしっかりやってきた。どちらが出ても、いい感じで仕上がっている」と欧州合宿の成果を強調した。お互いに見事なスポーツマンシップで相手を尊重しながらも、無差別切符を目指して全力を尽くしてきた。ちなみに世界選手権で日本人の2階級制覇は81年山下泰裕、89年小川直也、99年篠原信一の3人が達成している。
欧州合宿を重視
上村春樹強化委員長は28日の無差別級代表の審議に際し、欧州合宿の内容を重視する考えを明らかにした。「欧州に派遣した時の状況と、本人の仕上がりが重要な要素になる。各委員はある程度決めてくるだろうが、最終的にはコーチたちの意見を聞いた上で判断することになる」と現場の意見を尊重する方針を示した。基本的には全員一致が求められるが、紛糾した場合は多数決による決着も考えられる。委員の1人は「今回はかなり判断が難しい」と頭を悩ませていた。
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