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| 「一球に思いを込めて」投げ込む硬式野球部の田林
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雪辱を胸に真のエース目指す
エースの座は勝ち取ったものではないかもしれない。染田(現横浜ベイスターズ)が抜けたことでめぐってきたものかもしれない。だが、理由はどうであれ、田林正行(20)は同大のエースとして今季に臨む。必ず果たすべき雪辱を胸に。
04年秋のリーグ戦最終節、優勝を懸けた立命大との一戦でエース・染田は連投の疲れにも耐え、投げ続けた。その一方で、田林はベンチからその姿を見ていることしかできなかった。
その年の春、自身がサヨナラ打を浴びた相手との因縁の試合。しかし信頼を勝ち取れず、マウンドに立つことさえできない自分。やりきれない思いが体中に渦巻いた。「染田さんは本当にすごい。1人であそこまで投げられるなんて…。助けてあげられなかったことが情けない」。そしてチームは延長10回またしてもサヨナラ負けを喫し、田林の戦いはベンチで終わりを迎えた。
「あの悔しさは一生忘れられない。だけどいつまでも立ち止まっているわけにはいかない」。屈辱は胸にしまい、もう1度前を向いて自分を見つめ直す。エースとしてチームの優勝のために何をすべきか。自分には今、何が足りないのか。キャンプでは徹底した走りこみを敢行、連投に備えスタミナ強化を図った。
右横手から繰り出される切れ味鋭いスライダーと、打者の手元で微妙に変化する独特のストレート。そして生命線である卓越したコンビネーションにもより一層の磨きをかける。「今年は落ち着きがあるね」(吉川監督)。マウンドに向かう姿は去年よりも一回り大きく見える。
「三振よりも凡打が1番。どんな形でも勝てるピッチャーになる」。芽生えたエースの自覚がさらに上のレベルへと押し上げる。真のエースを目指し、田林は今、急速に成長している。思えば高校時代もまた、センバツでの初戦敗退から急成長を果たし、夏の甲子園では準優勝を成し遂げた。その右腕はまたきっと夢を見させてくれる。
(田代 聡)
◆田林正行(たばやし・まさゆき) 1984年(昭和59)7月25日生まれ。経済学部3年。182センチ、73キロ。投手、右投右打。智弁和歌山高出身。背番号14。座右の銘は「一球に思いを込めて」。

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