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| 立同戦に登板した金刃(04年5月23日撮影)
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白球に込める情熱
奪三振へのこだわり。これが金刃(かねと)憲人(20)の強気の投球を象徴している。自慢のストレートと変化球を巧みに駆使し、打者をほんろう。ピンチの時でも“自分でどうにかする”と動じることはない。金刃の力投はこれまで数々の勝利をチームに呼び込んできた。
その始まりは、1回生ながら先発に抜てきされた03年秋。強豪近大を相手に完封勝利を収めるなど3勝を挙げた。5位と低迷した立命大にとって、金刃の躍進は大きな光明だった。高まる期待を背に迎えた昨春は6つの白星を重ねた。立命大に悲願の優勝をもたらし、自身もMVPの栄冠を手にした。
だが昨年、味わったのは歓喜だけではない。日本一という夢に挑んだ全国大会では初戦敗退の屈辱。実力を発揮できないまま神宮を去った。また秋には、けがで戦線離脱を余儀なくされた。そんな中、試合では後輩の黒田が活躍。悔しい−その思いは早期の復活につながり、再びマウンドへ。堂々たるピッチングで連覇に貢献するとともに、投げられることの喜びを心に刻んだ。
関西を代表するエースとなったが、「エースと言われることが嫌だった」と1年前を振り返る。なぜなら、自分の中では認められるだけの成績を残せなかったからだ。そんな自分に厳しい姿勢を常に貫き、練習も1番下手だと思って励んでいる。しかし、昨年のさまざまな経験は確かな自信となり、精神的にも大きな成長を遂げた。エースという称号を前向きに受け止め、プレッシャーさえ力に変えている。さらにチームを引っ張っていかなければという責任感も芽生えた。「今年に懸けている」。すでにプロでの活躍を見据えている彼にとって今年は勝負の年。さらなる飛躍のためには今までと同じではいけない。本来のスピードとキレに加え、手に入れかけている緩急という武器。またその日の状態に合わせた投球という新たなスタイルも確立しつつある。向上心を失わない黄金の左腕が、今年も輝きを放つ。自らの未来のために、そして立命館を頂点へと導くために。
(阿部 さやか)
◆金刃憲人(かねと・のりひと) 1984年(昭和59)4月10日生まれ。市尼崎高出身。177センチ、77キロ、左投左打。小・高校時代に日本代表の経験を持つ。立命大では1回生から先発を任され3勝。昨年は春・秋通じて9勝を挙げた不動のエース。座右の銘は「情熱」。

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