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| 「動く相撲」で変幻自在の取り口を見せる相撲部の達城
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失意知る新主将
早稲田大学の体育各部は推薦入試制度の改革やトレーニング施設の充実によって、圧倒的な規模と戦力を作り上げてきた。しかしながら、その中で相撲部は選手5人、マネジャー1人と深刻な部員不足に悩んでいる。7人制で行われる団体戦には他部から部員を借りて出場にこぎつけているという状況だ。そんな相撲部が創部以来初の快挙に沸いたのは昨秋のことだった。達城得ひで(20)が強豪を押しのけ、全国体重別選手権100キロ未満級で優勝を果たした。
達城の持ち味は相手を翻弄するスピードと驚異的な粘り。鋭い立ち合いで相手を突き放したかと思えば、一転、絶妙ないなしで土俵にはわせる。土俵際に押し込まれても1回転し、相手の背後に回りこむという芸当も見せる。自ら「動く相撲」と評する変幻自在の取り口は見るものの驚嘆の的だ。
東京・目黒学院高出身。相撲部としては2年ぶりとなる推薦入試での入学者だった。期待された1年目は、ひざ痛に苦しみ、思うような結果が残せなかった。全国体重別選手権の予選を兼ねた東日本体重別選手権でも予選トーナメントで敗戦。どん底を味わった。
飛躍のきっかけは昨春の東日本インカレだった。ひざ痛が癒え、団体戦で後に角界入りする中西(専大)を足取りで撃破。目指していた「動く相撲」で50キロの体重差も問題にしなかった。この勝利に手応えをつかんだ達城は、夏を基礎体力の強化に費やし、秋の大一番に備えた。
春の快進撃は秋も続いた。まさに「無敵」。前年、苦汁をなめた東日本体重別選手権で優勝を遂げると、勢いのままに全国体重別選手権も制覇。決勝では前年の同大会2位で、優勝の大本命、井上(近大)を突き落としで破った。勝利の瞬間には喜びを爆発させ、両拳を力いっぱい突き上げた。達城の派手なガッツポーズは、失意からここまではい上がって来た者の自負が垣間見えた。
今年からは3年生ながら主将に就任し、チームをまとめる立場になる。輝かしい実績は残したが、部員不足の現実は変わらない。新歓期の現在は、新入生に少しでも相撲への興味を持ってもらおうと、キャンパスに出店を設けたり、ちゃんこの試食会をするなど、勧誘活動に必死の毎日だ。
しかし、1番の宣伝は自らが結果を残すこと。体重無差別のインカレ制覇という目標もある。自分のために、そして相撲部のために。今日も達城は前進し続ける。
(小室 洋平)
◆達城得ひで(たつしろ・とくひで) 1984年(昭和59)6月1日生まれのO型。177センチ、99キロ。東京・目黒学院高出身。早稲田大学スポーツ科学部スポーツ文化学科3年。私生活ではレスリング大学3冠王者の佐藤吏と大の仲良し。
※名前の「ひで」は王へんに秀

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