
|
| 「厳しく! 楽しく!」をモットーに世界に挑む船津
|
|
『厳しく!楽しく!』――レスリングに賭けた女子大生の挑戦
「ジャージやスーツケースに日の丸が付いたのを支給されると、本当に日本を背負っているんだなと感じます」。
日本女子レスリング48キロ級代表、船津友里(20)。昨年12月の天皇杯、今年3月のジャパンクイーンズ杯でともに準優勝という成績が評価され、今回代表に選出された。
試合前のピリピリ感、勝たなくてはいけないという使命感、常に船津はプレッシャーと戦っている。「弱気になっている場合ではないというのはあるんですけどね。自分の場合は劣等感がある。精神的、技術的な面でまだまだだなと。とりあえず今はがむしゃらにやるしかない。日本代表として恥じない試合をしなくてはいけない」。ユニバーシアード直前の気持ちを語ってくれた。
現在は上り調子。だが、厳しい試練はこれからだ。天皇杯、ジャパンクイーンズ杯はあくまで2位。その上には超えなくてはいけない、「最終的にはライバル」と話す坂本真喜子(中京女大)という大きな壁が存在する。
この2人が目指すもの――08年、北京五輪で金メダル。
「今は1位との差が遠すぎる。実際、決勝戦でも歯が立たなかった。上には上がいて、オリンピック選手などと練習すると自分が小さく思えてしまう」。やらなくてはいけないことが人一倍あるからこそ、人一倍の努力ができる。チームの仲間、友達、そして家族が、努力の支えとなっている。「レスリングを通していろいろな場所に行けて、仲間もできた。幸せですね」と、今いるこの環境に感謝の意が表れていた。
「厳しく! 楽しく!」がレスリングにおけるモットーと語る船津。プレッシャーをバネに、応援を背に――たくましくも美しい1人の女性アスリートが、“東洋魂”という誇りを胸に、今世界の大舞台へ挑もうとしている。
(橋本範子)
◆船津友里(ふなづ・ゆり) 158センチ、48キロ。級山村国際高出身、文学部2年。

|