山本200バタフライ日本新で銀!/競泳
<世界水泳選手権:競泳>◇11日目◇23日◇スペイン・バルセロナ
【バルセロナ24日=田口潤】日本のチームリーダー山本貴司(25=近大職員)が、男子200メートルバタフライで悲願のメダルを獲得した。前半から勝負をかけて飛ばし、ラストでまくり1分55秒52で従来の日本記録を0秒05更新して銀メダル獲得。五輪、世界選手権で今回初の表彰台に上った。昨年、自由形の元五輪代表だった千葉すずさん(27)と結婚したベテランスイマーが、平泳ぎで金メダルを獲得した北島康介(20)に続いた。
山本が夢にまで見た表彰台に立った。過去、2度の五輪、2度の世界選手権200、100メートルで計5度の入賞。そんな「ミスターバタフライ」がとった作戦は序盤からがむしゃらに泳ぐこと。150の折り返しでは4番手と遅れたが、ラスト50メートルで驚異的な伸びを見せた。最後は五輪連覇のマルチョウに競り勝ってゴール。「超うれしい〜。差したったあ〜」。喜びを表現すると、スタンドの妻千葉すずさん(27)を探して手を振った。
どうしてもメダルが欲しかった。昨年、自由形で92年バルセロナ、96年アトランタ五輪代表だった千葉さんと結婚した。この日も左手薬指には指輪をはめて泳いでいた。カナダを拠点に練習するが「和食もつくってくれますし、いろいろサポートしてくれます」。結婚を機にさらにパワーアップした姿を見せたかった。言葉ではなく、結果で感謝の気持ちを伝えたかった。
シドニー五輪の「借り」も返した。得意の200メートル準決勝。決勝への体力温存を考えた泳ぎで、まさかの不覚をとった。気持ちを切り替えて臨んだ100メートルで日本記録(52秒58)を更新、5位入賞を果たしたが、200メートルでの無念が晴れることはなかった。この日、ようやく呪縛は解かれた。23日は25回目の誕生日。自身へ贈る最高のプレゼントとなった。
95年に日本選手権を制してから、日本のトップに君臨し続ける。その要因のひとつには底抜けの明るさがある。大阪出身で、将来の夢を聞かれれば迷わず「阪神の監督」と答える。小学校の卒業式では壇上で振り返り、全校生徒に向かって「オリンピックに出ます!」と宣言したという。山本の「お笑い伝説」は数知れない。若武者・北島に続く、チームリーダーのメダル獲得は日本全体に勇気をもたらした。
[2003/7/24/09:12 紙面から]
写真=男子200メートルバタフライ決勝、銀メダルを獲得した山本貴司は観客席に向かってガッツポーズ(撮影・加藤哉)
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