<J2:山形1−0鳥栖>◇最終節◇3日◇山形県
ホームで鳥栖と対戦した山形は、MF佐々木勇人(23)の1点を守りきり今季初の3連勝。退任する鈴木淳監督(44)が有終の美を飾った。
前日正式に退任を発表した鈴木監督に、試合後の涙はなかった。むしろ淡々と山形での2年間を締めくくる勝利をかみしめていた。会見場では「雪で始まって、雪に終わったシーズンだった。得点も佐々木で始まり、佐々木で終わった」と笑顔を見せた。
天候に泣かされた1年だった。例年以上の大雪で、芝の根付きが悪く、ホームスタジアムを変更した試合があった。落雷と豪雨で順延になった試合もあった。ホームゲームはなぜか雨が多かった。そして、この日の最終戦は気温2・4度、雪という悪環境の中で行われた。「今日の試合の天候に悔いはない。ただ、(今シーズン)雨が多かったことは、山形のパスをつなぐサッカーに多少影響はあった」と話した。
鈴木監督のラストゲームに選手も燃えた。理想とするボールが動き、人が動くサッカーは積雪で思うようにいかなかったが、ファイトあるプレーを連発した。シュートは鳥栖の9本の倍に及ぶ18本を放ち、アグレッシブに鳥栖ゴールを脅かした。そして、山形ラストさい配に花を添えたのが、鈴木監督の秘蔵っ子・佐々木だった。攻めながら得点が奪えなかった後半27分、中盤でボールを奪った佐々木が、ドリブルでゴールに突進。GKを見ながらループ気味のシュートをゴールに突き刺した。「こういうゲームは辛抱しながら思わぬところでチャンスとピンチが訪れる。佐々木がよく決めてくれた」とまな弟子のゴールを振り返った。
2年目の今シーズンは16勝12敗16分けで5位。入れ替え戦圏内3位甲府との勝ち点差はわずか5だった。退任の理由を「J1昇格の目標を果たせなかったことと新しい環境に挑戦するため」と話す鈴木監督。決して突出した選手のいない山形を、2年連続で昇格を狙えるチームに押し上げた功績は大きいだろう。
「理想のチームには徐々に近づきつつあった」。志半ばで山形を離れる鈴木監督の新天地での活躍に期待する。【塩谷正人】
[2005/12/4/11:43 紙面から]
写真=ラスト采配を勝利で飾った鈴木監督は雪の中サポーターに笑顔を見せる
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