<目指せ甲子園まるごと福島>
東北最多93校がしのぎを削る福島で、軟式から硬式野球部に転向した新地ナインが初めての夏に挑戦する。ボールはもとより、道具からユニホームまで一新。ぶっつけ本番の春は2連敗で相双地区予選敗退したが、1年生6人が主力になるチームに気後れはない。開幕日13日の初戦は、富岡との同地区対決。来春の創立100周年に先駆け、新地が新天地で公式戦初白星を目指す。
「新地高校、19番!」。6月23日の組み合わせ抽選会で93校目の新規参入校としてくじを引いた和田山達也主将(3年)は「何もかもが初めてなので、全力でぶつかるだけです」と初陣の決意を示した。
昨年までの軟式野球部は、過去2度の県大会優勝の実績があったが、ここ数年は部員不足に苦しんできた。学区内の中学球児の志望は、圧倒的に硬式。野球部自体の存続もかけた硬式への移行は、和田山主将ら2、3年生3人の希望もあって実現した。「軟式がしたくて入学したけど、試合数も少なく、硬式に進んだ中学の友達にあこがれていた」と振り返る。
同じ野球ながら、硬式への環境づくりは容易ではなかった。03年まで3校の硬式野球部監督を務め、昨春からチームを指揮する酒井良雄監督(50)は「グラウンドの草刈りなど半年かかった。途中で挫折しそうになりました」と苦笑いする。両翼約80メートルのグラウンドの手作りフェンスは、学校周辺の青竹100本以上を切り出し、港町ならではの漁網を関係者からもらってネット代わりにした。原町から専用ネットを無償提供され、小高工には防球ネットの枠組みを実費製作してもらうなど、周辺高校の協力も受けた。
来春、創立100周年を迎える学校側も協力を惜しまない。今春、ブルペンに屋根が取り付けられた。父母会を立ち上げ、軟式OBを含めたバックアップ体制が整った。酒井監督は「建築関係の方からはスプリンクラーを付けようかという話もある。ありがたいことです」と感謝する。
今春、フレッシュな1年生11人も入部。練習試合なしで臨んだ地区予選は2戦全敗したが、6月の地区選手権では春に5回コールド負けした相馬東と9回まで競り合った。酒井監督は「最初はボールへの恐怖感が強かったが、試合になってきた」と手応え。「夏までに全部は難しいが、とにかく得点圏に走者を進めてからが勝負。どれをとっても伸びしろはある」と期待を込めた。【佐々木雄高】
[2005/7/7/11:28 紙面から]
写真=硬式野球部元年の夏に意欲を燃やす新地ナイン
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