全国注目の野球チームが、いよいよ始動する。NPO法人(特定非営利活動法人)として設立され、来春から岩手県社会人野球に参戦予定の「フェズント岩手」は、今月7日に初のセレクションを実施。このほど合格者も決まり、9月から待望の合同練習を開始することになった。元プロ選手をスタッフに加えるチームの最初の目標は、87年以来遠ざかる岩手勢の都市対抗本大会進出だ。
湯田町で行われたセレクションには、大学生を中心とする27人が参加した。その中から18人に内定を出した。野球部GMを兼ねる佐藤哲雄事務局長(51)は「いい選手が集まった。県大会を勝ち抜ける手応えはある」と、初年度から岩手NO・1宣言だ。9月には高校生のセレクションを予定し、いよいよチームの形が整うことになる。
並のクラブチームではない。社会人の枠を超えた組織を目指している。団体の正式名称は「岩手の野球を発展・躍進させる会」。元西鉄(現西武)の泉沢彰氏(59)を総監督に迎え、4月に発足。6月27日に盛岡地方振興局からNPO(特定非営利活動)法人の認定を受けた。
「フェズント」とは岩手の県鳥であるキジの英語名。エンブレムには岩手、早池峰、姫神の3山が描かれる。1つの市町村だけでなく県全体を代表する「広域チーム」の象徴だ。すでに50社以上から協賛の内諾を取り付け、運営にはメドがついている。
強い岩手を復活させることが、まず第1の目標となる。この2年で太平洋セメント、宮城建設といった県内強豪チームが廃部に追い込まれた。東北大会では七十七銀行、JR東日本東北など宮城県勢には歯が立たず、全国大会から遠ざかる一方だ。「社会人野球の盛り上がりを岩手の人に知ってもらいたい」と佐藤氏。盛岡鉄道管理局で主軸として活躍した松田修一監督も、再び全国の舞台に立つことを熱望している。
四国のようにプロにつながる独立リーグの機運が高まれば、社会人から“昇格”していく可能性も秘める。来年6月の都市対抗県予選でデビューする異色チームの今後が注目される。
[2005/8/23/11:11 紙面から]
写真=フェズント岩手の佐藤事務局長は、完成したスタッフ用の帽子とシャツを披露
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