センバツ高校野球の開幕が23日に迫った。今日から東北代表3校の仕上がりを追う。3日目(25日)第1試合に登場する光星学院(青森)は16日、柏原(大阪)と柏原市の同校グラウンドで練習試合を行い、5−5で引き分けた。エース桑鶴雄太投手(3年)が右肩に違和感を覚え、ノースロー調整が続く中、村松伸哉投手(3年)が9回170球で完投、11奪三振と力投した。打線では4番坂本勇人遊撃手(3年)が高校通算20号となる一発を放ち、存在感を見せた。
エース右腕の桑鶴に投球のメドが立たず、金沢成奉監督(39)は「はっきり言って危機です」と口にした。そんな不安をかき消そうと2本柱のもう1人、村松が9回を投げ切ってみせた。金沢監督は「(25日の関西戦は)村松でいく可能性もある」と先発を示唆した。村松の調子は決して良くなかった。被安打4ながら、四死球8と乱れた。走者を許してから長打を浴び、5失点。「カーブとスライダーでストライクが取れなくて…」と反省した。
それでも直球の伸びは最後まで失わなかった。「桑鶴には無理をしてほしくない」と燃えた。4回を除く毎回11三振を奪った。冬に練習して覚えたシュートもこの日解禁。「シュートで三振を取れたのは良かった」と手応えをつかんだ。
村松と遊撃手坂本の連係も光った。二塁けん制で3度走者を刺した。走者がスキを見せると、坂本が絶妙のタイミングでベースに入った。2人の息はピッタリ。金沢監督も「冬場も練習していた。効き目ありますよ」と自信を見せた。
その坂本が打撃でも魅せた。先頭打者の2回、フルカウントから7球目の直球を振り抜いた。打球はあっという間にセンターの頭上を越えた。「ちょっとこすった感じはあったけど、入るかなと思った」。昨年11月の練習試合、光南(福島)戦以来の1発に笑顔だった。
チームはわずか5安打。しかし9回には無安打で1点を奪い、追いついた。光星学院の目指す「負けない野球」を体現する、泥くさい攻撃だった。たとえエースが間に合わなくても全員でカバーする、ナインの気迫が感じられる試合だった。【清水智彦】
[2006/3/17/12:20 紙面から]
写真=9回を完投、11奪三振の力投を見せた村松
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