フルキャストスタジアム宮城に、連日1万人を超えるファンが詰めかけている。球場に流れる応援歌。現在、公式1、公認4の球団応援歌がある。そのほかに、選に漏れたものの、地元ファンに支持されている曲があるのをご存知だろうか。「ああ宮城県」のヒットで知られる陶芸家吉川団十郎さん(57)が自主製作した「はばたけイーグルス」。こうした「支援ソング」ができるのも、野球熱の高さを物語っている。
インターネット上などで、楽天ファンの間でひそかに? 人気なのが吉川さんが作成した楽天イーグルスを「応援するために」つくったという1曲だ。昨年11月2日、楽天が新規参入を決めた日に「すぐに曲が浮かんだ」といい、翌日には歌詞が完成。編曲などを経て、自宅の作業場の一角にある「スタジオ」でCDをつくり上げた。
「私が勝手につくらせていただいたイーグルス支援ソングですが、自信作」と、笑う。すぐに地元ラジオ局でも流された。当時は球団公式、公認など現在のようなルールはなかった。大阪・毎日放送のテレビ番組でも取り上げられ、その後球団あてに正式に公認申請をしたが「ボツなっちゃった。理由が今でもわからないんだけどなあ。個人的につくったからかなあ」と、苦笑いする。
吉川さんといえば、現在は宮城・村田町に窯をもつ陶芸家として、また画家として知られる。74年ヤマハポピュラーコンテスト(ポプコン)で入賞。76年にメジャーデビューし「ああ宮城県」は10万枚のヒットとなった。が、芸能生活1年で引退。故郷に戻った。仙台市内でスナックを開き、客を中心に早起き野球チーム「一番星組合」をつくった野球好きでもある。
74年に「戦えジャイアント馬場」を本人にプレゼント。レスラーの名前入りの歌は初めてだった。「馬場さんがすごく喜んでくれた。でも、リングで歌ってくれといわれたときは、怖くて勘弁してもらった」と笑って振り返る。スポーツ「応援ソング」のパイオニア的存在でもある。
「『ああ宮城県』は、ポプコンに応募したときに、テープ審査で落ちた曲。今回もオレらしいよ」と、公認落選は意に介していない。吉川さんのもとには「CDが欲しい」という問い合わせがあるという。こうした「草の根応援」が、東北プロ野球を支えている。
[2005/4/14/10:53 紙面から]
写真=自宅の「スタジオ」で楽天応援歌を制作した吉川団十郎さん
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