<プレーバック楽天>
楽天山崎武司内野手(36)のバットが好調だ。10日まで3試合連続本塁打を放ち、本数もチームトップを独走する18本。特に古巣オリックス(スカイ)と対戦した9、10日の2試合では、チームの全5打点を1人で稼いだ。追い込まれると極端に弱いデータをくつがえし、粘り強い打席が増えている。
ここまで山崎が放った本塁打は18本。3試合連発など量産態勢で、2年ぶりの大台20発にも迫る勢いだ。山崎の魅力は豪快な1発。そして本塁打を放った後のコメントが、また面白い。いくつか紹介しよう。
「1、2、3、真っすぐでした」
「タイミングが合わないから、早めに目を切ったら当たっちゃった」
「バットを振ったところに、相手がボールを投げてきてくれた」
トークでも楽しませることができるプロだ。コメントから総合すると「決め打ち」の打者であることが分かる。2ストライクまでは狙い球を絞って強くたたく。試合を決める1発を期待されて、楽天の4番に座っている。
その半面、課題もある。田尾監督は長所を認めつつ「追い込まれたら、もろ過ぎる4番やからねえ」と指摘する。実際、2ストライクを取られた後の打率は1割台。崩された空振りや、見逃し三振もよくある。確実性を求められる打者ではないとはいえ、寂しい数字だ。
ところが最近は、粘る姿勢が目立つ。10日オリックス戦の第1打席で、フルカウントから3球ファウルして四球を選んだ。珍しい光景だ。9、10日のオリックス戦2試合に限れば、追い込まれた5打席の成績は本塁打を含む2安打、1四球。いつもの「もろさ」は感じられない。
山崎「ボールが前で見えるか、後ろで見えるかの違い。調子が良くない時は、ボールを迎えにいってしまうからね」。
手元に呼び込むことができれば、ミスショットも少ない。追い込まれた後の成績は、山崎の好調のバロメーターのひとつのようだ。2試合のチーム全5打点を1人で稼いだ。果たして調子がいいだけなのか。
試合会場「スカイマークスタジアム」の影響も、少なからず存在するだろう。昨年、解雇通告を受けたオリックスの本拠地。日程の都合上、神戸に来るのは今季初めてだった。悔しさも募る。楽天入りしなければ、先月2日の1000本安打も実現しなかった。その時「野球をやめなくて本当によかった」と話した。
残されたゲームはあと31試合。チームは来季戦力を見極める時期に入った。生き残りをかけた戦いに、山崎はとにかく必死で結果を残そうとしている。「追い込まれている」立場を自覚しているから、カウントが追い込まれても食らい付く。夏バテ気味のチームで、その存在感は際立つ。「来年もプレーしたい」。山崎のようなベテランがもっと出てこなければ、おかしい時期のはずだ。【楽天イーグルス取材班】
[2005/8/12/10:56 紙面から]
写真=チームトップ18本塁打を放ち打撃好調な山崎
|