<プレーバック楽天>
今春、仙台を巣立った高卒ルーキーに屈辱の敗戦を喫した。楽天は18日、日本ハム最終戦(札幌)で先発ダルビッシュ有投手(19=宮城・東北高)に0−12のプロ初完封勝利を許した。2安打6三振2四球。直球、変化球とも鋭い切れ味に「打てそうで打てなかった」という声が多かった。ナインのコメントから、ダルビッシュとの対戦を振り返った。
仙台の野球ファンなら、楽天の活躍はもちろん、プロ入りした地元選手の動向も気になるところ。甲子園のスターだったダルビッシュが、楽天の敵としてついにマウンドに立った。結果は、99年の西武松坂以来となる高卒ルーキー完封勝利。一回り大きくなった腰回りに、体重の乗ったボールと安定感。いずれもアマ時代からの成長は明らかだった。
楽天はわずか2安打。安打を放った主軸2人は「びっくりする球はないけど、いつの間にか打ち取られていた」(山崎)「打席では想像以上にボールは速かったけど、打ち損じが多かった」(吉岡)と振り返った。
最速は146キロ。手がつけられないほど速くはなかった。シンを少しだけ外した。厄介だったのは、シュート系のツーシームだった。140キロ台の球速があり、右打者なら手元で内角へ微妙に食い込んだ。「右投手であんなきれいな軌道のシュートは久々に見た」と関川は驚いた。
実戦投球は2試合目という新球に、ほんろうされた。ダルビッシュの手先の器用さは相変わらず。9つの球種を持つが、変化球はすべて2、3球投げるだけで覚えてしまう。幼少からプラモデルづくりが好きで、身に着いた微妙な指先の感覚のおかげだ。
3回までに楽天が12失点し、19歳ルーキーを落ち着かせた。「どんな球種でも簡単にストライクを取っていた」と複数選手が話した。初球ストライクに細かい注意を払う必要がなくなり、9つある球種でストライクゾーンだけ狙えばよかった。有利なカウントから勝負され、打者は難しいボールに手を出した。適度に散った変化球と、大差の余裕が生んだ完封劇だった。
インタビューも個性的だった。対戦した楽天先発の一場を引き合いに「問題児対決」と言い、「根拠のない自信があった」とも言ってのけた。ふてぶてしいコメント連発で大物感を漂わせた。来季以降も、楽天戦には自信を持って投げてくる。仙台で対戦する可能性も高い。今から楽しみな「ダルビッシュ対楽天」第2ラウンドだが、反省なく屈辱の敗戦を繰り返すようなら、地元ファンがどちらに味方するか分からない。【楽天イーグルス取材班】
[2005/9/23/12:19 紙面から]
写真=18日の楽天戦で完封勝利した日本ハムのダルビッシュ有
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