大トリを飾った。楽天の初代4番を務めた山崎武司内野手(37)が21日、仙台の球団事務所で契約交渉に臨み、推定年俸8000万円で一発サインした。アップ額3000万円は球団史上最高。25本塁打を放ち、5年ぶりの規定打席にも到達し、ナンバーワン評価を受けた。来季は年間シート6席を新設し、残り本塁打14本に迫った250号を目標に掲げた。これで新人、外国人を除く52選手の来季契約が完了した。
来年も野球ができる喜びが、山崎の笑顔に集約されていた。会見は「昨年の経緯からすれば、もう1度ここに座れるとは思わなかった」が第1声だった。来季20年目を選手として迎えられる。それで十分だった。年俸の3000万円アップはもちろん歓迎だが「ラッキー」「ツイてた」が出るたびに、金額には代えられない喜びがにじみ出た。
それでもアップ額は、これまでの球団最高だった吉田の1500万円の2倍と大幅に更新。球団も最大限の評価を与え「ベテランが率先してファンサービスをしてくれた」と米田球団代表。楽天初代の4番として25発を放ち、規定打席にも到達した成績はもちろん、ファンサービス部門の最大功労者として査定も高かった。
印象的なシーンが「予告ホームラン」だ。学校訪問で子供たちの前で宣言し、その日に見事1発を放ってみせた。「一生子どもは忘れないでしょう。僕も子どものころ同じだった。ファンの声援が本当に力になった。来年は1試合でも多く勝って、仙台の町をお祭り騒ぎにしたい」と誓った。先月の納会では「地域密着MVP」として球団から特別表彰も受けた。来季は「山崎シート」6席を新設する予定だ。
昨年戦力外を通告されたオリックスに、前巨人の清原が入ることが確実になった。年齢が1歳上で当然意識する存在だが「戦力ダウンじゃないの」と冗談めかした。追い込まれたベテランの危機感を知っている。古巣の苦い経験から「大好きな野球が1度は嫌いになっちゃった」と明かした。どん底に落ち、もう後がない状況を受け止められたからこそ、迷いなくバットを振り、復活できた。
帰り際「ラッキーな1年でした。みなさん、今年は本当にお世話になりました。ありがとうございました」と報道陣に向かって頭を下げた。ファンにも、記者にも、接する態度は変わらない。子どもに夢を与え、昔ながらの「かっこいいプロ野球選手」そのままを自然体で演じる姿は、清原にも負けない。楽天の契約更改はこの日ですべて終了したが、大トリを飾るにふさわしい球団の顔だった。【柴田猛夫】
[2005/12/22/11:09 紙面から]
写真=球団アップ額NO・1を勝ち取り笑顔の山崎
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