<J2:鳥栖1−0仙台>◇第13節◇21日◇鳥栖
都並サッカーが見破られた。仙台は、アウエーで鳥栖と対戦し0−1と完敗。前半19分、意図的なサイドチェンジからミドルシュートを許し先制され、そのまま逃げ切られた。前回の第7節ホーム戦に続き、またしても「都並サッカー」の弱点をつかれた。
指揮官の焦りが、すべてを物語っていた。0−1で迎えた後半ロスタイム、相手のクリアボールがサイドラインを割ると、都並敏史監督(43)は血相を変えながらベンチサイドに立ちすくむボールボーイの元へ走り出した。むしり取るようにボールを奪いピッチの中に放り込む。だが、その直後に無情のホイッスルが鳴り響いた。
またしても鳥栖の術中にはまった。前半19分、右サイドからポッカリ空いた逆サイドに相手ボールが入り込む。そのボールを、プロ入り初スタメンの相手MF高林佑樹(24)にミドルレンジからねじ込まれた。反応したGK高桑大二朗(31)が防ぎきれないほどの完ぺきなロングシュートだった。
その一撃は意図されたプレーから生まれていた。「いい形の守備から入ろうとしたが、中盤で相手をフリーにしてしまった。戦術的に相手に狙われていた」と都並監督。敵将・松本育夫監督(63)は「シュートもよかったが、ポイントはサイドだった。ニワトリにえさをまくようなもの。うまくタッチライン際に相手をおびき寄せてサイドチェンジから好機を作れた。うまくはまった」としてやったりの表情を見せた。
「自分たちのサッカー」を追い求める都並監督。中盤でサイドに追い込む守備をキャンプから行ってきた。対戦相手によって自在に戦術を変えてくる「カメレオン軍団」の松本監督は「まずは相手を知ることが大切。相手の良さを消すことを考えるのは戦いのセオリー。分析のピントがずれていれば戦いにならない」と、前回同様にスカウティングを駆使し仙台を丸裸にしていたことを明かした。
運動量とアグレッシブさで相手に劣っていたのも事実だった。ベンチワークを補佐した手倉森誠コーチ(37)は「ボールを奪ってからのアクションが小さかった。動き出しも悪いし、勝負しようという気持ちがある選手が少ない。ひたむきさを忘れている選手がいたら勝てない。仕切直しだ」とおかんむりだ。
鳥栖は中盤でボールを奪うと複数の選手が動きだし、何度も速攻を仕掛けてきた。仙台は、序盤から単調なロングボールをトップに当てる拙攻に終始。シュート数だけを見れば、鳥栖の7本を上回る10本を放ったが、効果的な攻めは最後まで見られなかった。
チームはここ5試合、3勝1敗1分けと長いトンネルから抜けかかっていただけにショックも大きい。「大人のサッカー」を掲げる指揮官は、大きな岐路に立たされた。【下田雄一】
[2005/5/22/11:29 紙面から]
写真=ラフプレーに両手を広げアピールする仙台都並監督。後方は鳥栖ベンチ
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